BANK The Story 人生を豊かにする、お金の使い方BANK The Story 人生を豊かにする、お金の使い方

この記事はThe Savings 及び
Visaデビットをご案内するためのものです

トラベル
2024.03.15
富山の農村の伝統建築で"土徳"とアートにふれる再生の旅 43,000円~

築約120年の伝統建築をリノベーションしたアートホテル「楽土庵」1泊2食付き

田園風景を眺め、心静かなひとときを過ごし、土地の文化や食を満喫したい。そんな方にぴったりなのが、富山県砺波市(となみし)の伝統建築を改築した「楽土庵(らくどあん)」です。著名な作家による家具、工芸品や美術品を設えたアートな宿でもあります。どんな体験が待っているのでしょうか。

富山人の知恵の結晶、散居村のアズマダチ

img_369_02.jpg

富山県西部の砺波平野は「散居村(さんきょそん)」の風景が残る日本有数の地です。
散居村は、広大な田園地帯に住居が点在する農村形態。上の写真は「となみ夢の平スキー場」の近くにある「散居村展望台」からの眺めです。

砺波平野は庄川と小矢部川によってできた扇状地。現在は米の名産地ですが、元々は水はけがよすぎるため耕作に向かない土地だったそうです。先人たちは石だらけの土地を根気よく耕し、水の管理がしやすいように田んぼの近くに家を構えました。住居が点々と建つのはこのためです。

img_369_03.jpg

散居村の住居は「カイニョ」と呼ばれる屋敷林に囲まれています。
冬の季節風が吹く南西の方角を屋敷林で厚めに覆うので、玄関は東側になります。家が東向きであること、黒瓦の切妻屋根に白壁という武家屋敷風であることなどから、この伝統建築は「アズマダチ」と呼ばれます。散居村展望台から眺めると屋敷林と住居がみな同じ方角を向いているのがよくわかりました。

屋敷林の落ち葉や木材は煮炊きの燃料、田畑の堆肥、生活用品の材料にも活用され、果樹や薬草を植える家もあったそうです。見事な循環のサイクルで、先人たちの知恵の賜物ですね。
上の写真は散居村の大規模民家「入道家住宅」の屋敷林。樹木の高さが立派で、庭というより森のようでした。

img_369_04.jpg

今回ご紹介する「楽土庵」は2022年10月オープン。築約120年のアズマダチをリノベーションして建てた宿です。

img_369_05.jpg

「ここの屋敷林は改築の際に植え直しましたが、ドングリの木だけは元からあるものです」と教えてくれたのは、スタッフでコンテンポラリーダンサーでもある伊豆牧子さん。

img_369_06.jpg

ラウンジに上がると、目に入るのは民藝運動の中心人物で染色家・芹沢銈介の屏風。天井の高さや梁の太さにも驚かされます。富山の伝統構法「ワクノウチ」の柱組に、イギリスのプロダクトデザイナー、ジャスパー・モリソンの照明が馴染んでいます。

img_369_07.jpg

ウェルカムドリンクは、立礼席(りゅうれいせき/テーブルと椅子で茶をたてる点前)でお抹茶を振舞っていただけるそうです。

img_369_08.jpg

ラウンジ奥のライブラリーには、富山の歴史・風土、民藝、建築、美術に関する書籍が並びます。

img_369_09.jpg

本棚の向かいには富山出身の木工家で建築家の安川慶一によるライティングビューロー(デスク付きの書棚)も。傍らには現代美術家・内藤礼の絵画「color beginning」が飾られています。

img_369_10.jpg

オールインクルーシブの宿なので、バーコーナーのお菓子やおつまみ、ドリンクは飲食自由。三郎丸蒸留所の梅を漬け込んだ「UMESKY(ウメスキー)」、富山産クロモジ茶、白えびライスクラッカーなど、興味深い品々がありました。
スイスの建築家、ピエール・ジャンヌレのチェアに座り、ドリンクを飲みながらくつろげる至福の空間です。

紙・絹・土をテーマにした客室には名品がずらり

img_369_11.jpg

客室は全3室。まずは「紙 shi」を見せていただきました。
天井や壁の前面に和紙作家・ハタノワタルによる手漉き和紙を使用。イサム・ノグチの照明、ポール・ケアホルムの名作チェア「PK22™」、床の間には陶芸家・河井寛次郎の詩を版画にした棟方志功の作品が飾られています。

img_369_12.jpg

ルームウェアと羽織は、海外ハイブランドの一流メゾンでもテーラーを務めたデザイナー・高松太一郎によるもの。

img_369_13.jpg

2つ目の客室「絹 ken」は、お隣の南砺市(なんとし)で唯一残る城端(じょうはな)絹のメーカー・松井機業の「しけ絹」を壁と天井に施しています。ふんわりとした照明の反射、部屋全体を包むやわらかい空気が印象的で、「このお部屋は女性に人気です」と伊豆さん。

img_369_14.jpg

蚕はまれに2頭で1つの繭を作ることがあり、この貴重な「玉繭(たままゆ)」から作った「玉糸」で織り上げる「しけ絹」。玉糸は太さが不均一で織るのが難しいそうですが、独特の模様とやさしい風合いが魅力です。

img_369_15.jpg

3つ目の客室「土 do」は特別室で、少し広めです。

img_369_16.jpg

床の間の壁には現代美術家・林友子の作品が造り付けられています。改築工事前に「楽土庵」の敷地から土を持ち帰り、作品に使ったそうです。

img_369_17.jpg

3つの客室にはウッドデッキがあり、散居村や田園が眺められます。取材日は暖かく、赤トンボが飛んでいました。

「土徳」にふれるリジェネラティブツーリズム

img_369_18.jpg

無数のプロダクトを設える「楽土庵」ですが、違和感なく調和した空間になっているのが素晴らしい。これらはどうセレクトしたのでしょうか。「楽土庵」の運営を担当する「株式会社水と匠」のプロデューサー・林口砂里さんに伺いました。

「作家が『われがわれが』と自我を強く表現したものではなく、自我を超えた、自然や目に見えない大きな存在とともにある、『他力』の考えに沿うものを選んでいます。この周辺で信仰が盛んな浄土真宗の修業道には、阿弥陀如来にすべてを任せる『他力門』があります。自然の恵みや他者の助けで生きる『おかげさまで』という姿勢、『他力』の精神が根付いています」

林口さんによると、「他力」の教えは民藝運動にも影響を与えたのだそう。
「版画家の棟方志功は1945年(昭和20年)4月、ここから近い福光に疎開して、そのまま6年8カ月滞在。浄土真宗の僧侶や文化人と交流し、『富山では、大きないただきものを致しました』と語っています。志功さんの師匠だった柳宗悦も富山を訪れるようになり、1948年(昭和23年)に南砺市の城端別院善徳寺で、民藝思想の集大成である論考『美の法門』を書き上げました」
柳の影響を受け、富山を訪れた民藝同人から「土徳(どとく)」という言葉が使われるようになったといいます。

「私たちは"土徳"をお伝えすることを最も重視しています。"土徳"は富山の人と自然がつくり上げてきた品格のようなものを表す言葉です」と林口さん。
「土徳」の意味は明確に決まっていないそうです。自己中心・人間中心主義とは真逆の、「他力」信仰の影響を強く受けた富山の人たちが、自然とともに生き、自分の小ささや無力さを知ったうえでの謙虚なあり方、そんな空気を表す言葉のようです。

img_369_19.jpg

「土徳」の暮らしを象徴する散居村ですが、国の重要里地里山としても選定されています。「楽土庵」では宿泊料金の2%を散居村保全活動に寄付しています。
「ゲストがここで過ごすことで、地域の再生と回復につながる『リジェネラティブ(再生)ツーリズム』を提案しています」と林口さん。
宿泊者は無料で散居村ウォーク(所要1時間)に参加可能。周囲のアズマダチ、神社や石仏を巡ることができます。
このほか、郷土芸能の「越中いさみ太鼓」、江戸時代から続く大門素麺作りなどの体験メニューもそろい(要事前予約)、「土徳」の一端を感じられそうです。

img_369_20.jpg

「楽土庵」に併設するイタリアンレストラン「il clima(イル クリマ)」。
魚種が豊富に獲れることで有名な富山湾から仕入れた、白エビやブリをはじめとする旬の海鮮が味わえます。県産小麦粉のパスタやパンも手作りしているそう。

img_369_21.jpg

一般には流通しない酒米「雄山錦(おやまにしき)」を使用したリゾットもユニーク。
供される器はもちろん作家の作品です。

img_369_22.jpg

「il clima(イル クリマ)」の隣にはブティックがあり、館内の作品の多くを購入できます。工芸品、アート、ルームウェア、アメニティ、食材など、気に入ったものを持ち帰れるのは楽しいですね。

帰りに玄関でメダカが泳ぐ鉢に目が留まり、「これは『濱田庄司に棲むメダカ』と呼ばれています」と伊豆さんが教えてくれました。人間国宝の鉢が棲みかとは驚きですが、さりげなく置かれていているのが、この宿らしい風情でした。

東京駅から富山駅までは新幹線で約2時間。米や魚がおいしくて、人もやさしい富山。
「土徳」にふれる再生の旅、ぜひ足を運んでみては。

img_369_23.jpg

Words : Yuki Asakura
Photos: Ken Wakai

2023/11/22

──────────────────────
楽土庵
──────────────────────
富山県砺波市野村島645
──────────────────────
Tel: 0763-77-3315
──────────────────────
https://www.rakudoan.jp/
──────────────────────
火曜休館
※祝日は営業
──────────────────────

参考コスト
「紙 shi」/「絹 ken」
※1泊2食付き、1名利用
43,000円~
参考コスト合計金額
SHARE
<ストーリーに関するご留意事項>
ストーリーは、BANK The Savings の目標設定を具体的にイメージするための情報提供を目的として委託先が作成した記事に、あおぞら銀行がVisaデビットの利用促進のためのサービス紹介などを追加したものであり、掲載の商品・サービスの誘引が目的ではありません。また、掲載内容は、作成時点における委託先における意見・見解が含まれるもので、個社・個別の商品・サービスを推奨・保証するものではありません。ストーリー内記載のコストは参考値であり、その他諸費用がかかる場合があります。特段の記載のない限り、ストーリー内記載のコストは税込価格とし、税率は10%(軽減税率適用商品は8%)とします。ただし、イートイン・テイクアウトで税率が変わる商品もありますので、詳しくは直接商品・サービスの取扱業者にお問い合わせください。各種割引、キャッシュバックなどは含まれていません。
情報の正確性、完全性、信頼性、適切性等に加え、配信時点で当該商品・サービスが存在すること、お客さまの購入・利用の可能性、価格および掲載企業(人)の内容に関し、あおぞら銀行は一切保証するものでありません。併せてご紹介するVisaデビットに係る優待サービスやキャッシュバックについては、予告なく変更または終了する場合があります。詳細については必ずリンク先のあおぞら銀行HPをご確認ください。また、投資勧誘や特定銘柄の推奨を目的とするものではありません。掲載情報に基づき行ったお客さまの行為および結果等について、あおぞら銀行は一切の責任を負いません。
掲載画像はイメージであり、実物の商品やサービスなどと異なる場合があります。
掲載の商品・サービスに関するお問い合わせは、あおぞら銀行窓口・コールセンターではお受けできません。直接商品・サービスの取扱業者にお問い合わせください。
BANK The SavingsはBANKアプリのみで提供されるサービスです。
BANK The SavingsおよびBANKアプリ、および併せてご紹介するVisaデビットに係る優待サービスやキャッシュバックについては、あおぞらホームコール(0120-250-399)にお問い合わせください。
BANK
BANK™アプリを
いますぐダウンロード!
BANK™アプリではさらに多くの
ストーリーをご用意。
いち早く最新の
ストーリーを読むにはアプリが便利!
BANK

BANK™は「お金も時間も賢く使って、幸せにすごしたい」
そんな価値観を大切にする方のために生まれた新しいマネーサービスです。
あなたの素晴らしい人生のために、今すぐ口座開設。

今すぐBANK™口座を開設

スマホ、PCからペーパーレスで
簡単に口座開設できます

最短5分でお申し込み完了!

口座開設のお申込み