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トラベル
2019.10.11
日本文化の"未来の遺跡" 3,300円(事前購入)

現代芸術家・杉本博司の集大成ともいえる「小田原文化財団 江之浦測候所」

日本を代表する芸術家であり、古美術蒐集家、文楽演出家としても知られる現代の粋人、杉本博司。そんな世界中から注目を集めるアーティストが、自らの「心の故郷」と呼ぶ、神奈川県小田原市にオープンした「小田原文化財団 江之浦測候所」(以下、「江之浦測候所」)は、庭園でもギャラリーでもない、唯一無二の人類学的自然文化施設です。"歴史と存在の一過性"というテーマを探求し続ける杉本の、"未来の遺跡"となること必至の作品は、一度は訪れておくべき場所といえそうです。

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人間意識とアートの起源
「測候所」という耳慣れない響きに、首を傾げている人も多いかもしれません。それもそのはず、測候所とは、本来、定時の地上観測のほか、地震観測や火山・潮位の観測、高層気象の観測などを行う施設のこと。専門家以外に用のある場所ではありません。しかし、この「江之浦測候所」は、現代美術作家である杉本博司さん自らが設計した壮大なランドスケープであり、相模湾や箱根外輪山の豊かな自然を借景とした庭園であり、人間意識とアートの誕生を反芻するための文化施設だといいます。

つまり、杉本さんが蒐集・制作した、さまざまな時代の建築物と自然との融合によって太古の昔から変わることのない天体や地球の活動を体感し、「天空のうちにある自身の場を確認する作業」を行う──すなわち、人類の文化やアートの根源である"測候"を追体験することができる場所なのです。

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「古代人が見た海」を切り取る芸術家
時間の性質、人間の知覚、意識の起源といったテーマを表現するにあたり、写真という媒体を長らく駆使してきた杉本さんは、写真家としても世界的大家として知られています。そんな彼の代表作のひとつが「海景」シリーズです。

杉本さんは言います。「個人の記憶をさらに遡り、人類の記憶というものを自らのテーマとしてやってきた。どうやって心が発生したのか、人類になぜ自意識というものが芽生えたのかを探求することが、私の一生のテーマなのだ。古代人が見た海──それが『海景』という作品のはじまりだ」。

海抜100メートル地点に設けられた、大谷石でてきた構造壁をもつ100メートルのギャラリー棟には、世界中の海と時間を切り取った「海景」シリーズが展示されています。先端部は海に向かって突き出た展望スペースとなっており、夏至の朝、海から昇る太陽光はこの空間を数分間にわたって駆け抜けます。

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悠久の日本建築史を通観する
「江之浦測候所」は、美術品鑑賞のためのギャラリー棟、石舞台、光学硝子舞台、茶室、庭園、門、待合棟などで構成されています。また、それぞれの建築物は、日本に古くから伝わる建築様式や工法の時代ごとの特徴を取り入れ、再現することで、日本建築史を通観できるようになっているのです。この"再現"は、現代では困難になりつつある伝統工法を継承し、後世に伝えるという重要な使命を果たしています。

そして石舞台、石橋、三角塚、石庭の亀石などを中心に、施設内の各所で印象的な存在となっているのが、"石"です。お膝元の根府川は、敷石、石碑などに使用されてきた根府川石の産地として知られ、施設内の擁壁、造園等にも広く根府川石、そして真鶴の小松石などが使用されています。また造園の景石には、近隣の早川石丁場群跡から出土した江戸城石垣用の原石を用いるなど、普段見過ごされがちな足元の"石"ひとつとっても、ここでは極めて重要な意味をもっているのです。

「5,000年経ったときに、どうなるかということを想定して設計している」「ガラスが全部飛んでいっても、屋根はなくなっても、大谷石の100メートルの壁は残る。後世の人々が見たときに、『うわぁ、ここは何だったのかなぁ』となる」と、杉本さん。

「冬至光揺拝隧道」は、冬至という一年の終わりであり、起点でもある特別な一日に、日が昇り、季節が巡り来ることを意識することで、"人の最も古い記憶"を脳裏に蘇らせるために構想されたものだといいます。冬至の朝、相模湾から昇る陽光は70メートルの鋼鉄製の隧道(トンネル)を貫き、対面して置かれた巨石を照らし出します。

小田原を"文化の首都"に
2017年10月に一般公開を開始した「江之浦測候所」オープンに先立ち、杉本さんは09年に公益財団法人「小田原文化財団」を設立しています。その目的は、自身の"原点"である小田原という土地から、日本文化の精髄を世界に向けて発信すること。政治や経済の首都機能は東京に譲るにしても、将来的に小田原を"文化の首都"として位置づけることを目指しているというのです。

「私は小田原に負うところが多い。子どものころ、旧東海道線を走る湘南電車から見た海景が、私の人としての最初の記憶だからだ。熱海から小田原へ向かう列車が眼鏡トンネルを抜けると、目の醒めるような鋭利な水平線をもって、大海原が広がっていた。その時私は気がついたのだ、『私がいる』ということを」。杉本さんにとって理想的なこの江之浦の土地を見つけるのに、およそ10年の月日を要したとそうです。工事にはさらに10年を要したとも。

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江之浦には、豊臣秀吉による北条攻めの折、所掌慰撫のために秀吉が千利休に命じてつくらせたといわれている「天正庵」跡があります。その「天正庵」という記憶を取り込むために杉本が拵えたのが「雨聴天」という名の茶室です。この地にあった朽ち果てた蜜柑小屋のトタン屋根を慎重に外し、茶室の屋根として再利用したのです。

相模湾の景勝と日本文化の精髄に触れる
徳川家康が江戸ではなく小田原を拠点に選んでいたら──。杉本はそうならなかったことをありがたく思うと語っています。「家康がもし小田原を選んでいたならば、今ごろは小田原が東京で、マンハッタンや香港のような高層ビルが立ち並ぶ大都会となっていたであろう。そして東京は江戸市として、江戸湾奥にその名を留める程度であっただろう。しかし私は家康の決断を有り難く思う。小田原が東京になっていたら、今に残る美しい自然は、破壊のかぎりを尽くされていたに違いないからだ。そうならば私の人生の始まりとなる、あの海の記憶もなくなってしまうからだ」。

近年、熱海の「MOA美術館」など、杉本さんと建築家・榊田倫之さんとが協働する「新素材研究所」の文化施設が、続々小田原周辺にオープンしています。どうやら杉本は、本気で小田原を"文化の首都"にしようと奮闘している様子。伊豆半島の付け根で山海の幸に舌鼓を打ち、日本文化の精髄に触れる──そんな"口福"で"考福"な週末を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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Words: Junya Hasegawa

小田原文化財団 江之浦測候所
神奈川県最西部の相模湾を臨む小高い丘に、現代芸術作家・杉本博司の知見と美意識を凝縮し「構想10年、工事10年」という月日をかけてつくられた、日本の自然と建築と美の殿堂。広大な敷地でありながら、近代の人工密度を再現するため、午前の部(10:00〜13:00)と午後の部(13:30〜16:30)という完全予約・入れ替え制を採用している。最寄りのJR東海道線根府川駅から施設までは、徒歩45分を要する急勾配。無料の送迎バスが運行しているので、見学予約時に併せてお申し込みを。駐車場利用にも事前予約が必要。

      
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2019/9/12取材

神奈川県小田原市江之浦326番地1
tel. 0465-42-4190
info@odawara-af.com
開館時間 10:00~13:00、13:30〜16:30
休館日 火・水曜、年末年始、臨時休館日

https://www.odawara-af.com/ja/enoura/

参考コスト
午前の部、午後の部
インターネットから事前にご購入の場合
3,300円
参考コスト合計金額
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