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THE SHINMONZEN/1泊朝食付き(1室1名または2名)
京都、祇園白川の畔に建つ「THE SHINMONZEN(ザ シンモンゼン)」は、安藤忠雄氏設計の建築に、世界中のアーティストがデザインしたインテリアや現代アートが並ぶラグジュアリーブティックホテルです。南フランスのホテル「Villa La Coste(ヴィラ・ラ・コスト)」の姉妹館として、すべての品質にこだわり、その土地ならではの体験を重視しているといいます。さっそく訪ねてみましょう。
世界のアーティストの作品を間近にする贅沢な空間
京都を象徴する祇園エリアから少し南へ足を延ばした新門前通り。美術店や骨董店が並び、文化の薫りが漂います。この通り沿い、白川の清流に面して建つ「THE SHINMONZEN」。古建築のような外観ですが、新築だそうです。
入口ののれんをくぐると、長い廊下が現れました。
「左が無機質なアスファルト、右が温かみのある木材と対照的です。異なるもののコントラストやミックスを見せる、安藤忠雄さんの遊び心です」
そう教えてくれたのは、ゲストエクスペリエンスマネージャーの渡部春奈さん。
廊下の突き当りには、イギリスの現代作家、ダミアン・ハーストの『桜』が。さりげなく飾られていますが、国立新美術館で展示されていた作品です。
廊下からリバーサイドラウンジに入ると、明るい雰囲気に驚きます。
「京都の町に溶け込むように外観は暗めの色ですが、長いスロープを抜けて中に入ると、明るくポップな雰囲気になっています」と渡部さん。
壁には、六本木ヒルズの『ママン』(蜘蛛の姿の彫刻)で知られるルイーズ・ブルジョワの2対の絵画作品が。奥の棚に飾られているのはプロダクトデザイナー、マーク・ニューソンの『aikuchi』。本物の日本刀で、鞘(さや)のデザインを彼が担当した作品だそう。これはほんの一例。館内中にアートが飾られ、廊下も美術館のような雰囲気です。
「THE SHINMONZEN」のオーナーであるパディ・マッキレンは芸術に造詣が深く、ここの本棚や、椅子の作品『chair』も自らデザインしたものだそう。
「パディは世界中を飛び回り、質のよいものを探しています。南仏プロヴァンスにあるワイナリー『Château La Coste(シャトー・ラ・コスト)』に彼がつくったホテルが『Villa La Coste』です。そこで大切にしているポリシーが、上質な時間・経験を提供すること、その土地らしさを味わっていただくこと。このホテルの日本版で、姉妹館が『THE SHINMONZEN』です」(渡部さん)。
パディの友人だった安藤忠雄氏をはじめとするアーティストの協力を得て、10年以上かけて「THE SHINMONZEN」のプロジェクトは進められました。
上の写真は、プロジェクト初期の安藤氏直筆のスケッチです。
スタッフのユニフォームはスタイリッシュなのにどこかかわいらしくて、思わず撮らせていただきました。
リバーサイドラウンジの外にはテラス席があり、朝食時に人気だそうです。取材日は冬景色でしたが、「秋は紅葉が色づいてきれいです」と渡部さん。
このエリアの主で、いつもいるという鷺(さぎ)が1羽、川向かいにとまっていました。京都の自然の身近さを象徴しているように感じます。
やわらかな光とモダンなインテリアに囲まれて
客室は2~4階にあり全部で9室。すべてがスイートルームで、それぞれデザインや設えが異なり、日本らしい素材の名称がつけられています。
最初に案内していただいたのが「KINU」(絹)。一番広いタイプです。
障子で明かりを採り、やわらかな光が注ぐリビング。フランスのアーティスト、レミ・テシエによるインテリアデザインで、シンプルですが温かみを感じます。
丸みのあるフォルムが特徴的なミニバー。中にはスナックやドリンクが入っており、京都の伏水(お酒の仕込水)も提供しています。
一枚板の大きな扉の向こうには畳のベッドルーム。ヘッドボードは、日本伝統の木工技術で加工され、継ぎ目をあえてワンポイントとして見せる造りがユニークです。
洗面所のダブルシンクは大理石、グラスはフランスから取り寄せたものだそう。美しい空間でウキウキとした気分になります。
傍らに水引がついた玉手箱のようなものが。中には竹の歯ブラシ、京都産のヒバのバスオイルなどのアメニティが入っています。
小さい箱は、成分からパッケージまで日本製にこだわった注目ブランド「DAMDAM」のレディースアメニティです。
「THE SHINMONZEN」はサステナビリティへの意識が高く、竹の歯ブラシのほかにも、プラスチック製品を極力使わないように、水の容器はガラス瓶、館内やお出かけで便利なコットントートバッグを採用しています。
室内着もオリジナルで、コットン100%のパジャマと浴衣を用意しています。
次に見せていただいたのが「URUSHI」(漆)。モダンで洗練されています。
この部屋で気づきましたが、メモパッドは和紙で、筆記具が色鉛筆。これも遊び心ですね。
全9室のうち、7室の浴室にヒノキの浴槽があります。体格のいい人でも悠々と足を延ばせそうな大きさでした。
「URUSHI」では実際にお湯を溜めていただいたので、ヒノキのいい香りが漂っていました。冬はお湯に温度計と柚子を浮かべ、ほかの季節はヒノキとクロモジのチップが入ったバスパックを用意。細やかな心遣いがうれしいですね。
扉横にはティア・トゥイ・グエンの作品のドアチャームが掛かっていて、「Don't disturb please」の札の代わりに使用します。アクセサリーのように華やかで素敵です。
このほかに、アイロンが革の鞄に入っていたり、ヨガマットが風呂敷に包まれていたり、備品の一つも雑に置かれているものがないのです。隅々まで行き届いた心遣い、この丁寧さはぜひ真似したいと思いました。
最後に拝見したのが「TOOKI」(陶器)。
リビングの赤い飾り棚、丸みのあるソファがチャーミングです。
「TOOKI」は広いプライベートテラス付き。白川のせせらぎを眺めながら、ゆったり過ごせそうです。
五感に語りかける繊細で美しいモダンフレンチ
「THE SHINMONZEN」のメインレストラン「Jean-Georges at The Shinmonzen」は、モダンフレンチの巨匠、ジャン-ジョルジュ・ヴォンゲリステンが監修。
日本や京都の食材を厳選し、「フレンチ、アメリカン、アジアンを融合させた季節ごとに常に変化する、繊細で優美な逸品を提供すること」がコンセプトです。
「ディナーは宿泊のお客さまが多いですが、ランチは日本人の女性のお客さまの利用が多いですね」と教えてくれたのはソムリエ兼アシスタントマネージャーの光岡寛之さん。
宿泊客は予約しないことが多いそうで、「当日の状況しだいで、外食に出かけられたり、レストランで召し上がったり、さまざまです」(光岡さん)。
ちなみに宿泊客の朝食は「Jean-Georges at The Shinmonzen」で、アメリカンブレックファースト、コンチネンタル(ヨーロッパ風)、和朝食などから選ぶスタイルです。
インテリアデザインはニューヨークの人気レストラン「Aldea」や「Morimoto」を手掛けた、ステファニー後藤氏が担当。上の写真は「Jean-Georges at The Shinmonzen」内にある「The Bar at The Shinmonzen」。秘密の隠れ家のような雰囲気で、ワインセラーには3,000本以上を常時そろえているそうです。
今回、ランチコースを試食させていただきました。
上の写真は「木の子のラビオリ、タラゴン」。ラビオリはパスタの一種で、タラゴンはハーブです。小さな美術品のように繊細な造形で、口へ運ぶのにドキドキしました。
メインの「信州サーモン、椎茸、根セロリ」。苔庭に花が咲いたように飾られた椎茸。信州サーモンの下に根セロリが隠れています。スープは鰹をベースに、柚子と昆布も利いていました。
デザートは「イチゴ、タピオカ」か「チョコレート、バニラ」が選べます。
このほか、トラウトのクリスピー寿司、黒トリュフとホタテをのせた蕎麦のガレット、メインの「豚ロース、リンゴ、キャベツ」など、見て美しく、驚きながら味わっておいしい。五感に語り掛けるような品々でした。
ホテル内にいて感じましたが、京都の中心市街にもかかわらず、かなり静かです。そして白川沿いの自然を感じるロケーションに、やさしい自然光が差し込むモダンな客室。一流のアート作品が並び、上質なものに包まれる豊かな時間です。
希望すれば、坐禅や茶道、お茶屋などの体験ツアーもアレンジしてもらえるそうです。大事な人との特別な京都滞在にいかがでしょうか。
Words : Yuki Asakura
Photos: Hajime Kojima
2024/01/23
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THE SHINMONZEN
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京都府京都市東山区新門前通西之町235
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Tel: 075-533-6553
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https://theshinmonzen.com/jp/
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1泊朝食付き ※1室1名または2名利用京都駅からの
プライベートトランスファー付き ※時期、宿泊日により変動 ※税金・サービス料込み |
224,000円~ |
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参考コスト合計金額 |
<ストーリーに関するご留意事項>
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