2024年1月に新NISAがスタートしたことで「貯蓄から投資へ」という機運が高まっています。金融庁の分析では、長期的な投資への取り組みで、安定した成果が得られるとの結果も出ていることから、早いスタートにメリットがあると考えられます。お金のプロが解説します。

●だれでも簡単にできる「お金を増やすための取り組み」とは？

お金を効率的に増やすために大切なことはなんでしょうか？

儲かる投資先を見つけること？

確かにそれも重要ですが、儲かる投資先を見つけること自体、投資の専門家であったとしても大変難しいことで、継続的に見つけ続けるのはほぼ不可能といえるでしょう。

では、多額のお金を集中的に投資すること？

確かに、投下資金が多ければ多いほど儲かったときの収益額は大きくなります。しかし、損をした時の損失額も大きく、できる人は限られるでしょう。

もっと「だれでも簡単に」できる、お金を増やすために取り組むべきことはなんでしょうか？

答えを申し上げます。それは、「時間を味方につけること」です。

時間を味方につけるとは、長く投資を続けること。長く続けるためには早く投資を開始したほうが時間のパワーをより多く享受できます。ムリのない金額で投資を始め、市場の変動に一喜一憂せずにどっしり構えて投資を継続する、それによりお金の成長を見ることができる可能性も高くなるのです。

●毎月1万円、運用利回り5％で30年投資を継続したら？

では、「時間を味方につける」とはどういうことなのか、具体的に見てみましょう。

図表1は、毎月1万円ずつ投資をして、運用利回り5％で運用をしたシミュレーションです。10年間投資を継続した場合、20年間投資を継続した場合、30年間投資を継続した場合の資産残高を比べてみました。

［図表1］投資を継続した場合の資産残高の例
※毎月1万円ずつ、運用利回り5％で運用をした場合のシミュレーション
※出所：金融庁のシミュレーションサイトを利用して筆者作成

10年後の資産残高は155万2,823円です。投資元本は120万円ですから、運用の成果は35万円ほどあります。

では、時間を2倍に延ばしてみましょう。すると、残高は411万337円となっています。
240万円の投資元本に対し171万円も運用の成果が得られています。2倍の時間で、投資元本と運用の成果を合計した残高が2.6倍になったということです。積立時間が長くなった分、投資元本も２倍になっていますが、それ以上の運用効果が得られたことが分かります。

さらに、投資期間を延ばしてみましょう。30年投資を継続すると、資産残高は832万2,586円となります。時間と投資元本が3倍になったのに対し、残高は3倍を大きく上回る5.36倍になっています。この成長力が「時間を味方にする」という意味です。

●長期運用で元本割れリスクは低減、5％の運用益も実現可能に

「しかし、実際に5％の運用益が望めるのだろうか？」と思われる方もいるかもしれません。
金融庁の分析によると、世界中の株式や債券といったものに積立投資を行い、20年運用を継続すると、4～6％程度の成長が見込めるというデータがあります。

下記の図表2のグラフをご覧ください。「保有期間20年」の運用成果の年率としては、8％を超えるものはありませんが、「4～6％」のものが最も多く（出現頻度60%）、運用成果がマイナスとなっているものはありません。一方、「保有期間5年」のグラフでは、10％以上の成果のものも見られる一方で、元本割れも散見されます。

この点から、長く運用すると元本割れの確率が減る（リスク＝ブレが抑えられる）ことがわかります。

［図表2］資産・地域を分散して積立投資を行った場合の運用成果の実績【保有期間別（5年、20年）※1】

※1　1985年から2020年の各年に、毎月同額ずつ国内外の株式・債券の買付けを行ったものです。各年の買付け後、保有期間が経過した時点での時価をもとに運用結果及び年率を算出しています。出現頻度は各々の結果がどのくらいの確率で出現したかを示しています。これは過去の実績をもとにした算出結果であり、将来の投資成果を予測・保証するものではありません。運用管理費用は含みません。
日本株式:東証株価指数(配当込み)、先進国株式:MSCコクサイ・インデックス(円換算ベース)
日本債券:NOMURA-BPI総合、先進国債券:FTSE世界国債インデックス(除<日本、円ベース)

出所：金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」

税制優遇のある資産形成の仕組みと評判のiDeCoは、最長75歳まで運用が可能です。20歳から始めることができますから、運用期間は55年間となります。

また2024年に新しくなったNISAは18歳から口座開設が可能で、非課税で運用できる期間に制限がありませんから、より長期間時間を味方につけることができます。

とはいえ、人の一生には限りがあるので、時間を味方につけた運用をするためには、早く投資をスタートすることが、結果的にとても重要になるといえます。

金額をムリに上げる必要はありませんが、余裕資金やお小遣いの一部などで投資を始められてはいかがでしょうか。少額ずつの積立投資は、大いに検討の余地があるといえるでしょう。

山中伸枝
CFP
株式会社アセット・アドバンテージ　代表取締役

Words：山中伸枝（株式会社アセット・アドバンテージ）、幻冬舎ゴールドオンライン
Illustration：オノデラコージ

2024/1/15

＜ストーリーに関するご留意事項＞

ストーリーは、資産運用の方法等に関する情報提供を目的として、委託先が作成したものであり、掲載内容は、作成時点における委託先における意見・見解が含まれるもので、個社・個別の商品・サービスを推奨・保証するものではありません。

著作権の一切はあおぞら銀行が保有します。文章は委託先が責任を負います。

掲載時点以降にストーリーの内容を予告なく変更する場合があります。

情報の正確性、完全性、信頼性、適切性等に関し、あおぞら銀行は一切保証するものでありません。また、投資勧誘や特定銘柄の推奨を目的とするものではありません。掲載情報に基づき行ったお客さまの行為および結果等について、あおぞら銀行は一切の責任を負いません。

掲載画像はイメージであり、実物の商品やサービスなどと異なる場合があります。

掲載の商品・サービスに関するお問い合わせは、あおぞら銀行窓口・コールセンターではお受けできません。直接商品・サービスの取扱業者にお問い合わせください。


Information  from  あおぞら銀行BANK















あおぞら銀行BANKのサービスをご利用いただくには条件・注意事項などがあります。詳細をご確認ください。