
一般の人が不動産投資をする場合、エリア別に複数物件を購入するリスク分散の方法は、資金的に無理があります。しかし、比較的低予算で投資できる小口化商品なら、都内7割、郊外2割、地方1割など、地域的な分散投資を行って安定性を増すことが可能です。具体的な投資手法とあわせて見ていきます。
不動産と相続問題を専門的に取り扱う、山村法律事務所の代表弁護士、山村暢彦先生が解説します。
不動産投資は「リスク分散」が重要!
不動産小口化商品のいちばんのメリットは、一般的な不動産投資に比べ、少額の資金から参入できる点です。また、単価が低いという特徴から分散投資をしやすく、投資としてより安定させることができるというメリットも生じてきます。
一般的な不動産投資のデメリットとして怖いのが、高価格であるため参入障壁が高いという点です。最初に購入した物件で失敗すると、次の物件の買い増しができず、投資そのものから退場せざるを得なくなりますし、さらに状況が悪ければ、自己破産という事態にもなりかねません。
不動産賃貸業は、すぐさま致命的なダメージを負うことは少ないものの、以下に挙げたような、収支悪化につながるトラブルが想定されます。
①賃借人がつかず、借り入れ等に比べて賃料収入が低いなど、収支が悪化した状態になってしまう
②賃借人がつかないことで、クレーマー気質であるなどの性質の悪い賃借人をいれてしまい、賃貸トラブルまでも抱えてしまう
③高額で購入してしまったことで、売却しようにも、購入金額に比して相当な額での売却先を見つけることができない
④建物自体に建築瑕疵などが発見される
もっとも、大きなマイナス要因となるのは、たとえば、②のクレーマートラブルや、④の建築瑕疵トラブル等後から発覚する法的なリスクもあるものの、多くの場合は、①のような賃貸の収支が悪いケースや、③のような売却時の採算が合わないケースなど、経済的な収支悪化リスクであると考えられます。
身も蓋もない話ですが、よい物件に適正金額を出資できれば利益が出る一方、不採算な問題物件に投資したら元本を割る可能性が高いわけです。
不動産小口化商品なら、リスクの分散と安定化が容易に
一般的に単価の高い不動産投資では、これらのリスクを一棟、一室ごとに出資者が負うことになりますが、不動産小口化商品の場合は、これらのリスクについても分散投資によって安定化させることができます。
たとえば、都内近郊の不動産景気がいいということで、7割程度の資金を投入したとしても、リモート出勤などが定着して郊外需要が増えるかも、といった事態にも備え、郊外に2割の資金投入し、地方活性化などで地方の状況が変わるかもしれないので、地方にも1割...といった分散投資ができるのが、不動産小口化商品のメリットの一つだといえるでしょう。
投資は安定性が非常に重要です。非常に高額な金額を運用している不動産投資家のなかには、都内近郊の物件をメインに保有しつつ、震災などに備えて地方都市にも確保している、あるいは海外不動産も複数購入している、という方も珍しくありません。
投資の規模が大きくなれば、単価の高い物件単位でも分散投資が可能ですが、一般個人投資家の場合、現実問題として、そこまでいくのはむずかしいため、不動産小口化商品のように、当初から分散投資が狙えて、安定性を高められるのはメリットとだといえるでしょう。
不動産小口化商品のデメリットは?
これまで不動産小口化商品のメリットを述べてきましたが、デメリットもあります。
第一に、不動産小口化商品では「権利の一部を購入する」「一部出資する」といったかたちなので、自分のタイミングで不動産を売却することはできません。つまり、あくまでも「運営している不動産会社への事業の出資」としてしか、利益を受け取ることしかできません。不動産賃貸業では、賃料による収益とともに、不動産価格自体が上昇すれば売却による利益を得ることができますが、不動産小口化商品は、売買差益を取得することが難しいのです。
また、運営する不動産会社にすべてお任せできるのがメリットである一方、逆にいうなら、その会社の運営がまずくても自分で改善することができません。不動産会社がうまく運営できなければ、当然ですが、そこに出資した投資家達もダメージを受けることになります。
そして最後に、運営する不動産会社の経営状況にも、かなり影響されるという点です。場合によっては、不動産会社が破産してしまい、その出資者にもダメージがあるということも起こり得ます。
以上のような点から、不動産小口化商品の購入を検討する場合は、運営する不動産会社をしっかり精査し、慎重な選択を行うことが重要です。
山村 暢彦氏プロフィール
実家の不動産・相続トラブルをきっかけに弁護士を志し、現在も不動産法務に注力。税理士・司法書士等の他士業や不動産会社からの複雑な相続業務の依頼が多数。遺産分割調停・審判に加え、遺言書無効確認訴訟、遺産確認の訴え、財産使い込みの不当利得返還請求訴訟など、相続関連の特殊訴訟の対応件数も豊富。
Words:弁護士 山村 暢彦(弁護士法人 山村法律事務所)、幻冬舎ゴールドオンライン
Illustration:坂木 浩子(株式会社ぽるか)
2023/1/11
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