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2022.05.27
"百試千改"の心で醸す広島・倉橋島の銘酒 4,950円~

林酒造・三谷春 純米大吟醸720ml

今回ご紹介するのは広島県最南端、瀬戸内海に浮かぶ倉橋島の老舗・林酒造が製造する「三谷春(みたにはる) 純米大吟醸」です。200年以上にわたり銘酒を造り続け、近年の自醸酒品評会でも1位を受賞している蔵を訪ねてみました。

広島県最南端の島に200年以上続く老舗酒造

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広島駅周辺から車で出発し、造船所の巨大なクレーン、海上自衛隊の戦艦、製鉄所のコンビナートなど、呉市街らしい景色を眺め、音戸(おんど)の瀬戸の橋を渡ると倉橋島に入ります。広島市街からおよそ1時間10分。

倉橋島は古くは「長門の島」と呼ばれ、天平8年(736年)には遣新羅使が現在の桂浜に寄港。美しい景色は歌に詠まれ、万葉集にも収録されています。造船の歴史も長く、江戸時代は特に栄えたようです。
明治時代は石材業が盛んになり、良質な花崗岩は国会議事堂や横浜裁判所など、全国の建築に使われ、石の産地として有名になりました。

林酒造があるのは倉橋島南部の室尾という集落です。取材日は上の写真のようにあいにくの荒天で雲がかかっていましたが、晴天なら穏やかな瀬戸内海を眺望するであろう、風情のある小さな港です。

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林酒造は海沿いの道から少し山側に入ったところにありますが、昔ながらの町並みがそのまま残っているからなのか、道幅が狭く、途中から車で行くのは断念。くねくねと迷路のように続く細道を歩いていると、歴史を感じさせる立派な建物が見えてきました。

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林酒造は文化3年(1806年)創業。花崗岩質の土壌をくぐった三つの谷から湧いた水を使って醸造したことから、その酒を漢学者の坂井虎山(こざん)が「三谷春(みたにはる)」と名付けました。現在のラベルは、儒学者・頼山陽(らいさんよう)の長男で頼聿庵(らいいつあん)がほろ酔いで書いたものだそうです。「三谷春」は明治40年(1907年)に開催された第1回全国清酒品評会で2位を受賞。現在もその味は引き継がれ、平成30年全国新酒鑑評会で金賞、令和元年の第65回広島杜氏組合回自醸酒品評会で1位を受賞しています。

林酒造で杜氏を務める平田英二さんがさっそく施設を案内してくださいました。
「酒米は大吟醸に山田錦、そのほかは八反錦を使用しています。西日本豪雨(平成30年7月豪雨)のあと、地下水の流れが変わってしまったので、なんとか水源を確保して使用しています。」
あの豪雨がそのような影響を及ぼしていたのですね。

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こちらは米を蒸す釜。とても大きいです。
「せいろのようなもので蒸気で加熱します。360キロぐらい入りますね」と平田さん。
酒造りの第一歩は精米、そして米を洗い、水に浸してから蒸し、冷まします。
「これは比較的大量に製造する普通酒で使う釜で、下処理や洗米も機械で行いますが、特定名称酒はすべて米を手洗いしています」

ここでちょっと日本酒の分類を整理。
日本酒(清酒)は「米、米麹および水を原料として発酵させて、こしたもの」が定義です。
そして日本酒には特定名称酒と普通酒の2種があり、特定名称酒は吟醸酒・純米酒・本醸造など、普通酒は特定名称酒以外のものです。
吟醸酒・純米酒・本醸造などの分類は、精米歩合と醸造アルコール(トウモロコシ、サトウキビなどを発酵させて蒸留したもの)の添加の割合で決まります。
ちなみに純米酒は醸造アルコール不使用。吟醸酒より大吟醸酒のほうがお米を磨いている歩合が高く、つまりお米をよりぜいたくに使っていることになります。

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さて、酒造探訪に戻ります。
こちらが麹室。ドアの向こうに見えている台の上に冷ました蒸米を広げ、麹菌をポンポンと振りかけながらなじませ、均一になるようによく混ぜます。そして蒸米は麹菌が増えた"麹"になります。
「麹室は麹菌がよく働くように室温は約30℃に保っています。ここで一日置いたあと、もう一日隣の部屋で過ごさせます」

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発酵が進んで醪になったらこちらの機械で絞ります。
「昔は槽(ふね)という絞り機が使われていましたが、これはその現代版。ゆっくり、やさしく丁寧に絞ります。この方法だと酒粕は多く出ますが、雑味なくきれいな酒質になります」
やさしく絞るほうがよくなるとは、"お酒は生きもの"なのだと実感するお話です。

ちなみに今の林酒造は「四季醸造」といって、一年中お酒を造っています。この絞り機のスペースにも冷風機が備わり、真夏でも作業できるようになっているそうです。

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入ったとたんにふんわりお酒の香りを感じたこちらの部屋。ひんやり寒く、室温は6℃。絞った吟醸酒、純米酒などを貯蔵しています。絞ってからおよそ2~3週間で瓶詰めしているそうです。

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麹室や絞り機の近くの一角に、ビーカーや試験管など理科の科学実験を思い出すような機材がたくさん置かれていました。
「お酒の成分を分析したり、記録したりするために使っているものです」と平田さん。

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瓶の中に温度計のようなものが立ててありました。
「この棒は浮標(ふひょう)といって、アルコール度数を測るものです」
お酒の質を保つためには様々な測定値を記録します。"お酒は科学である"ことがよくわかります。

近代の酒造に不可欠な科学的手法を導入した"広島の酒の父"

広島の酒造りを語る上で欠かせない、三浦仙三郎(せんざぶろう)という人物がいます。
仙三郎は弘化4年(1847年)、加茂郡三津村(現在の東広島市安芸津町)の雑貨問屋の長男に生まれ、家業を継いだのち、明治9年(1876年)から酒造業を始めます。
しかし腐造(仕込み中の酒が酸化して変質してしまうこと)や火落(ひおち。貯蔵中の酒が変質してしまうこと)を何度も起こしてしまいます。

仙三郎は蔵に原因があると考えて新築し、それもうまくいかないと、当時から酒処だった灘(現在の兵庫県神戸市)へ出かけ、蔵人として働きながら灘の酒造りを学びました。そして勘頼りで酒造りをしていた時代に、寒暖計で実測して記録するなど科学的な手法を取り入れます。そして広島の酒に腐造や火落が起こりやすい原因は、水質が軟水だからということを突き止めます。灘の水質は硬水なので、同じ手法ではできません。そこで新たな醸造法を完成させ、明治30年代には上質な酒の醸造に成功します。

彼が偉いのは苦心して吸収したノウハウを「改醸法実践禄」などの書物にまとめ、ほかの酒蔵や杜氏に広く公開し、共有したことです。
現在、兵庫の灘、京都の伏見と並んで、広島の西条が「日本三大銘醸地」となったのは仙三郎の貢献が大きいのです。

映画『吟ずる者たち』は林酒造でロケ撮影されました

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昨年、広島で三浦仙三郎を主人公にした映画『吟ずる者たち』(油谷誠至監督)が先行公開されました。
(5月中旬以降は神奈川県、群馬県の劇場で公開。全国で順次公開予定)

東京から挫折して故郷・広島に戻った主人公・明日香(比嘉愛未)は、実家の酒蔵を切り盛りする父(大和田獏)が急病に倒れたことをきっかけに、酒造りの道に踏み出します。
そしてある日、明日香の父が持っていた三浦仙三郎(中村俊介)の手記を目にするのです。

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家業を継ぐことにためらいながらも、子どもの頃から好きだった酒造りに励んでいく現代の明日香と、何度も困難に立ち向かいながら近代的な酒造りを成功させる明治時代の三浦仙三郎を並行して描き、広島の酒造りの歴史もよくわかる物語になっています。

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この映画の三浦仙三郎のパートで、実は今回ご紹介している林酒造がロケ撮影地となりました。

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大きな樽や煉瓦敷の床などは映画用に用意されたそうですが、約230年を経過する林酒造の建築はそのまま使用されています。趣ある建物が映画の世界によく合っていますね。

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こちらは映画撮影のために作ったという絞り機。注ぎ口の下には穴が開いていて、流した酒を貯める桶などが入れられるようになっていました。

現代まで脈々と受け継がれる「百試千改」の心

三浦仙三郎が遺した言葉に「百試千改」というものがあります。字のとおり「百回試して、千回改める」という意味です。今回ご案内いただいた平田さんにも、そういった酒造りの魂が受け継がれているように感じます。

「林酒造では杜氏の自分と、忙しい時に蔵人1人で、主に2人でまわしています。『たいへんそうですね』と言われますが、仕込みから瓶詰めまですべてに関わって、全体が見えているので自分はやりやすいです。工夫や改善点がすぐにわかりますから」

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実業高校の食品製造課で学んだあと、4カ所の蔵を経験して、林酒造の杜氏になったのが5年前。蔵によって個性があると思いますが、林酒造の特徴はどんなところでしょうか。
「お酒は比較的辛口で、なめらかな、きれいな酒質ですね。手作業で丁寧に仕込んでいる手作り感はここの特徴かもしれません」と平田さん。

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定番の「三谷春 純米大吟醸」は赤・青・黄の三色の瓶が美しく、プレゼントにも喜ばれそうです。筆者も試飲しましたが、まず華やかな香り。すっきりフルーティー、さらさらとして、水のようにスッと入ってくる感じでした。

30年近く酒造りを続けられていますが、今も楽しいですか?と尋ねたところ、「はい」と笑顔で即答した平田さん。新しいお酒の開発にも意欲的です。
「カキフライに合うものというテーマで開発したスパークリング清酒があります。それから林社長に相談されて考えているのが大吟醸の米と和三盆を使ったプレミアムな甘酒。日本酒で仕込んだ梅酒も作っていますね」

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スパークリング清酒は試飲させていただきましたが、少し柑橘味を感じるほどフルーティーでさわやか。確かに揚げ物や餃子などのおつまみにも合いそうでした。

チャレンジして改善して、また新たな商品を生み出す。
伝統ある佇まいのなかにも、まさに「百試千改」の心を感じる林酒造でした。

Words : Yuki Asakura
Photos: Tomoe Fukusumi

2022/4/21

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林酒造
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広島県呉市倉橋町11777
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https://hayashi-shuzo.com/
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0823-54-0310
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参考コスト
三谷春 純米大吟醸720ml
※瓶の色により価格が変わります
4,950円~
参考コスト合計金額
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