BANK The Story 人生を豊かにする、お金の使い方BANK The Story 人生を豊かにする、お金の使い方

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楽しく学ぶ
2019.07.16
遊ぶことで人生が楽しく、豊かになる 4,860円  

「すごろくや」代表が厳選する、ボードゲーム3種

ゲームと聞いて、多くの人がソーシャルゲームやテレビゲームを思い浮かべると思います。その一方で近年は、ともすればアナクロなイメージのあるボードゲームがブームと呼べるほどの人気を集めていることはご存じでしょうか。ボードゲームとは、その名の通りボードを使って遊ぶゲームです。わかりやすいところだと、「人生ゲーム」や「モノポリー」などがそうです。そもそもはアメリカやヨーロッパで広く発展し、なかでもドイツは本場と呼ばれるほど盛んですが、日本でも着実に愛好者の輪は広がり、ボードゲームを取り扱う専門店や実際にボードゲームで遊べるカフェも増え、ここ数年は増加傾向にあるといいます。

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人気の秘密は、人と人とのコミュニケーション

なぜボードゲームが人気なのか。その理由のひとつに、人と人とのコミュニケーションが伴う点が挙げられます。パソコンやスマホを介した画面上でのコミュニケーションが主流の現代において、同じ空間に集まって対面で遊ぶボードゲームは、必然的に参加者同士の交流が生まれるだけでなく、普段は見えなかったその人の性格がプレイスタイルにも表れ、みんなでワイワイガヤガヤ楽しむのにもってこいの遊びなのです。

加えて、毎年1,000タイトルを超える新作が生まれているため、ゲームの種類も驚くほど多彩。ひたすら理詰めで考えていくものもあれば、駆け引きや戦略が重要なもの、感性とひらめきが求められものもあり、どれも知的興奮を味わいながら、純粋に楽しむことができます。しかもたいていのゲームは、1万円以下で購入可能です。仲間や家族でプレイすることで、人として成長できたり、絆が強くなったり、そんな魅力がボードゲームにはあります。

そこで今回は、東京・高円寺と神保町にあるボードゲーム専門店「すごろくや」の代表取締役である丸田康司さんに、みんなで楽しめて、人生を豊かにしてくれるボードゲームを3つ紹介してもらいました。

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リスク管理とマネジメント力が問われる「ポンジスキーム」

まずひとつ目は、「ポンジスキーム」(台湾・2015年/5,500円 )です。ポンジスキームとは、投資詐欺のひとつの手口で、第一次大戦後の金融秩序が混乱するなか、運用する気もないのに高利率や高配当を謳って出資を募る詐欺を働いた実在の人物、チャールズ・ポンジの名前に由来します。

プレイヤーは、共通の場に9枚陳列されたカードのうち1枚を取り、そこに記された金額の資金を調達します。投資カードを取るたびに資金はどんどん増えていきますが、カードには支払い期と配当金も記されており、期限が来るたびに配当金を支払わなければなりません。さらに、会社を増やしていくというミッションもあり、その会社の規模が勝敗にもかかわってくるので、ときにはプレイヤー同士で水面下の売買交渉を行いながら、積極的に資産を増やしていく必要もあります。

雪だるま式に増える配当金の支払いを新たに集めた資金によって賄っていく自転車操業なので、いつかは必ず破綻するわけですが、誰かが支払えずに破産したときに最も多い資産を所持していた人が勝ちとなります。

「序盤は余裕があったのに、次第に膨れ上がっていく支払い金額に焦り始め、そのことをお互い悟られないようにギリギリの線で売買交渉を行っていく。先々の計画性というか、いかにリスク管理とマネジメントができるかが問われるゲームなので、従来のボードゲームにはない新しい感覚で盛り上がりますし、リスク管理の勉強にもなると思います(笑)」とは丸田さんの弁。

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一瞬のひらめきと推理力が必要な「デクリプト」

続く2つ目は、「デクリプト」(カナダ・2018年/3,024円 )。これは大人向けの高度な連想ワード対戦が楽しめる人気のボードゲームで、プレイヤーは白と黒の2チームに分かれ、チーム内で連想ヒントを使った秘密のコードの伝達に挑戦します。

まずはコンピューター風のモニターにカードを4枚セットし、そこに浮かび上がったキーワードをチーム内で共有します。各チーム1名が暗号化役となり、数値3桁の秘密コードが書かれたカードを引き、その秘密のコード(例:3.2.4)をチームメイトに正確に当ててもらうために、各キーワードに対応した連想ヒントを出すのですが、相手チームに秘密のコードを解読されてはいけないので、敵に悟られることなく、なおかつ味方には伝わるような、絶妙なヒント出しが重要になってきます。一方の敵チームは、相手チームの暗号を解読する推理力が求められるというわけです。

丸田さんによると、「チームメイトの知識や思考パターンを想定しながら、相手チームにわからないようなヒネりを加えつつ、仲間に対してはギリギリ伝わるような連想ヒントを出す。この絶妙なさじ加減が面白いうえに、語彙力と抽象思考に加えて、一瞬のひらめきと推理力が必要になってくるので、『ねえ、これってもしかしてこのキーワードのことじゃない?』『あっ、絶対そうだ! 天才!?』みたいな盛り上がりが楽しめます」とのこと。

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言葉選びにセンスが表れる「ディクシット」

そして3つ目は、「ディクシット」(フランス・2008年/4,860円 )です。語り部がお題を元に出したカードを当てるコミュニケーションゲームで、ドイツの年間ゲーム大賞をはじめ、世界各国で数多くの賞を受賞している大ヒット作。

ルールは簡単で、各プレイヤーは6枚ずつのカードを持ち、1人ずつ交代で語り部と呼ばれる役を務めます。語り部は自分のカードから1枚選び、その絵柄から連想されるお題を出し、ほかのプレイヤーは自分のカードからそのお題に最も関連していると思われるカードを1枚選んで提出。全員が出したカードを語り部がシャッフルして並べ、語り部以外のプレイヤーは語り部が出したカードを推理し、その結果によってポイントを獲得するというものです。

「このゲームの面白さは、お題決めと、そのお題を推理するところにあります。語り部は、自分が出したお題を全員に当てられても、当てられなくてもダメなので、ちょうどいい難易度のお題を出す必要があるのですが、カードに描かれたイラストが見方によっては多様な解釈ができるため、言葉選びに非常にセンスが表れます。反対に、語り部以外のプレイヤーは、語り部が何を考えてそのお題を出したのかを考えながら推理していく醍醐味があり、語り部の出したカードが公開されると、『えっ、それだったの?』『やっぱりそうだと思った!』というやり取りがあるのも、このゲームの魅力のひとつです」と丸田さん。

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ボードゲームで広がる、新しい世界

スリルもあれば、笑いもある。理詰めの思考が求められるものもあれば、感性が勝負のものもある。そのうえ、ポンジスキームでは、中長期で物事を考える力やリスクに対する考え方が身につき、ディクシットなら、言葉のセンスや直観力が磨かれるなどのベネフィットも期待できる。種類と目的によってさまざまな楽しみ方を実現してくれるボードゲームが世界各国で人気を集めている理由も納得です。

「楽しみ方の幅は本当に広いと思います。ただ、誰にとっても面白い万能なゲームというのはありません。逆に、ひとりが面白くないと思っても、ほかの人にとっては面白いかもしれない。世の中にはいろいろな人がいて、人それぞれの楽しみ方があります。それをわかったうえで、自分の好きなボードゲームを見つけてもらえたらと思います」と丸田さんは言います。

何事も百聞は一見に如かず。「ボードゲームって面白そうだな」と思った人はぜひトライしてみてください。新しい世界が、きっと広がるはずです。

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2019/4/5取材
2021/6/24編集

すごろくや高円寺店(本店)
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東京都杉並区高円寺北2-3-8 日光ビル2F
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tel.03-5327-4568
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営業時間11:00〜20:00
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定休日:水
─────────────────
https://sugorokuya.jp/
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参考コスト
ディクシット
4,860円
参考コスト合計金額
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