2021年7月銀座にオープン以降、図鑑好き、生き物好きの子どもたちだけでなく大人も楽しめるスポットとして注目を集める『ZUKAN MUSEUM GINZA powered by 小学館の図鑑NEO（以下、ずかんミュージアム）』。

「"地球の自然"が凝縮された、生きるミュージアム」と掲げ、開業１周年を迎えたこの夏には深海の生き物を紹介する「ディープシー（深海）ゾーン」が誕生するなど進化を続けています。それ以外にも新しい動物たちもいろいろ登場しているとの噂を聞きつけ、新しくなった『ずかんミュージアム』を体験しに出かけてみました。

植物や動物、鉱物......図鑑は、地球上で人間がみつけたさまざまな"発見"が詰まっている知の集積。図鑑を作るためには、いろいろなものを観察し、見つけ、それを記録することが必須です。『ずかんミュージアム』では、そんな「図鑑とは何か」をインタラクティブに体験させてくれます。

ここで私たちがするのは、生き物たちが暮らすさまざまな生息地をめぐり、多彩な生き物に出会い、記録すること。大小さまざまなスクリーンに映し出されるのは、デジタルで描かれたリアルな生き物たちの姿。入口では、まず不思議な力を秘めた道具、「記録の石」と名付けられたデバイスが手渡されます。この石が、生き物を検知し、記録するタイミングを教えてくれます。

まずはこの世界についての説明を受けます。スクリーンに映し出される壮大なデジタル映像を堪能し、『ずかんミュージアム』の世界へとどっぷりと没入していきます。

そして開かれた扉の向こうへ。生き物たちが暮らす森や水辺、深海、草原などさまざまな自然環境が５つのゾーンとなり、シームレスにつながっています。来場者はその空間を自由に行き来して、その時間、そのタイミングでしか出会えない生き物を探します。

ユニークなのは、『ずかんミュージアム』では独特の時間の流れや変化があるということ。24分で1日を再現し、朝、昼、夕、夜と時間が映り変わっていきます。天候も、晴れのときも、雨のときもあり、地球の自然をリアルに再現。夜行性の生き物は夜にしか出てこない......など時間帯や天気によって出現する生き物が変わります。

どのように記録するのかというと......見つけた！と思っても、すぐには記録することはできません。観察のポイントが「記録の石」に書かれているのでそれをまずチェック。生き物がその行動をするまで、じっと待ちます。あまり近づきするのも要注意。警戒心が強い生き物たちは、さっと逃げてしまうこともあります。

生き物が白く光ったら記録のチャンス。「記録の石」の記録ボタンを押して、記録完了。記録ができた生き物たちは「記録の石」に保存されていきます。

この夏、新しく登場したかわいいジャイアントパンダは絶対に記録したい生き物のひとつ。じっくり眺めて、どんな行動をとるのか観察を。生き物たちの行動や仕草はすべて「小学館の図鑑NEO」が監修し、映像資料などをもとに丁寧に再現されたもの。実際の動物園や水族館で観察するよりも間近で生態をじっくりと観察することができます。

生き物たちは目の前のスクリーンに登場するだけではありません。観察者が水の中に入った視点になる「アンダーウォーターゾーン」では、頭上をナイルワニが通過したり、羽根の音を頼りにしないと探し出せない生き物などもいたり......。

ここで記録できる生き物は数十種類。記録を集める楽しさに夢中になると、子どもたちだけではなく大人も「次は、夜の森に行ってみよう！サバンナは朝のほうがいいかも」など、実際の生き物の生態に基づいて観察の仕方を考えることができるようになります。「記録の石」は１グループにつき１つですが、１つ300円で追加もできるので、親子やカップル、友達同士でそれぞれどれくらい集めることができるのか、と競争してみるのも楽しそうです。

また、記録した生き物たちがとてもユニークでマニアックなのも楽しいポイント。どんな生き物たちが登場するかは「小学館の図鑑NEO」の監修の元に選定されています。水中に生息する不思議なホシバナモグラや世界最大級の蝶アレクサンドラトリバネアゲハ、巨大なダイオウイカやマッコウクジラなど、こんな生き物がいるんだ！と、もっと生き物のことを知りたいと思わせてくれるのも、子どもたちの新しい好奇心の羽を広げるきっかけになりそうです。

記録が終わったら、最後は大きな世界地図があるステージへ。「記録の石」をセットすると、自分が収集した生き物たちが地球へ帰っていくエンディングをみることができます。

このステージを取り囲む360度スクリーンにも注目を。記録することができる生き物たちすべてがランダムに登場します。それぞれのゾーンでは、近づくと逃げてしまったり動いてしまったりするので記念撮影は難しいですが、ここでなら大好きな生き物と一緒にゆっくり撮影することができます。大きなヘラジカとこんな近くで撮影することができました。

最後には、自分が集めた動物がわかる「記録の証」を手に入れることができます。集めた動物はシルエットが黒くなっています。さらに、そのうちの１つの生き物にはランダムで○マークが。この証をショップのレジに持っていくと、○マークがついた生き物のシール付きのカードをもらえます。

帰りにはオリジナルグッズを扱うオフィシャルストア「memoria」に立ち寄るのもおすすめ。ミュージアム内で出会った生き物たちをすべて解説してくれる「公式生き物図鑑」（700円）は、生き物好きなら必ず手に入れたい１冊。また、書棚には「小学館の図鑑 NEO」シリーズがずらり。こんなテーマの図鑑があったのか、と驚くものも。ここで気になるテーマの図鑑を手に入れるのも「学び」の大きなきっかけになりそうです。

『ずかんミュージアム』があるのは、銀座駅から直結の東急プラザ銀座のビル内。雨の日でも気にせず出かけられるアクセスの良さは魅力的です。

大人だけで楽しめる「ナイトずかんミュージアム」などのイベントも随時開催しています。大人にとって図鑑はノスタルジーな存在であり、知的好奇心を意識する原点でもあるはず。
『ずかんミュージアム』はそんなワクワクとときめきを思い出させてくれます。予測不可能な未来へ向かう私たちに必須なのは好奇心。それを再起動する良い機会となるかもしれません。デジタルで精密に再現された生き物たちの世界への探求に出かけてみてはいかがでしょう？

Words: Kana Umehara
Photos: Gakuji Masuda
2022/9/15

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