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楽しく学ぶ
2019.07.16
金継ぎ―みんなを幸せにする魔法 10,000円

6次元の金継ぎ短期集中講座

さりげなくて通り過ぎてしまいそうな青いサインのかかる入り口から、階段を上った2階にある荻窪のブックカフェ「6次元」。店内に一歩足を踏み入れると、そこにはまるでひと昔前にタイムスリップしたかのような、本に囲まれた異次元空間が広がります。ここの店主は、映像ディレクターであり、金継ぎ作家というユニークな肩書きをもつナカムラクニオさん。すでに10年、定期的に続けているナカムラさん主宰の金継ぎのワークショップの様子についてご紹介します。

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金継ぎとは、割れたり欠けたりした陶磁器をうるしで接着し、継ぎ目を金や銀、朱色などで飾る伝統的な修理方法のこと。「単なる修理や修復とはまったく違う行為です」と、ナカムラさんは言います。傷を味と呼び、壊れたものに美を見出す。桃山時代の茶人たちによって生まれた、器の修復に壮大な景色を探し、美を求める金継ぎは、日本人独自の美意識・感性によって生まれたものなのだとか。

そんな見立ての芸術に、いまでこそ興味をもつ人が増え、海外でもじわじわと人気を集めていますが、ちょっとハードルが高い印象があるのも事実。そこで、ナカムラさんがこだわっているのは、もっと気軽に挑戦してもらえるように一工夫を加えること。一度のワークショップで完成に近い状態まで仕上げます。

楽しみを知ってもらうために、手間暇のかかる本うるしではなく、常温で乾燥が可能で乾きも早く、しかもかぶれの心配のない新うるしを使用。誰でも簡単に作業できる簡易的な方法ですが、初めての体験でも十分美しく仕上がるそうです。

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修理を楽しむ文化

ワークショップで最初に挑戦したのが、"欠け"の修理です。器の縁をついぶつけて欠いてしまった経験、ありますよね? まずは欠けた断面をきれいにしてから、合成樹脂でできたパテで埋めていきます。欠けと同じくらいの分量のパテをよく練り、小さく丸めて傷口に押し当て、欠けた部分を整形するように。パテは硬くなるのが早いので、手早く行います。整えるのが大変なので、パテを多く盛りすぎてもいけません。やさしく丁寧に、表面や輪郭線を美しく整えていきましょう。

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次にパテが乾いたら、耐水ペーパーでヤスリがけをします。表面を研ぐ際は、パテの周辺を傷つけないようにゆっくりと。手で縁を触りながら段差や違和感がないか確認しながらの地道な作業です。なめらかになったら、いよいよ金うるしを塗ります。

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パレットに金粉と新うるしを混ぜ、薄め液でゆるめます。刷毛目がすっと消えるくらいがいい塩梅だそう。

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パテの部分を覆い隠すようにうるしをのせていきます。塗るというより、むしろ筆を置くといった感覚。ここでもゆっくり丁寧に。筆の刷毛目がつかないほうが美しく仕上がります。そして1〜2日、自然乾燥すると完成です。

この間、何度ナカムラさんから「ゆっくり、丁寧に」と声をかけられたことでしょう。まさに普段のせっかちな自分との闘いです。心のなかで「ゆっくり、丁寧に」と言い聞かせながらの作業に、不思議と没頭している自分がいました。

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次に挑戦したのは、金うるしで線を描く練習。本来は割れた器を修復する際に、継いだヒビに金を入れるのですが、この日は古い漆の小皿にヒビを見立てて線を描くことに。出来上がりの景色を想像しながら、1本の線を引く。簡単なように聞こえますが、実にこれが難しい......。何が難しいかというと、心の雑念がブレとなって線に表れてしまうのです。

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ここでも「もっとゆっくり、ゆっくり」とナカムラさんからの指導。自分の雑な性格と否が応でも向き合わされ、反省しきり。それでも想像力を働かせながら、細い線と太い線で強弱をつけつつ1本の線を集中して描く作業は、なんとも楽しく、心地いいのです。

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日本の陶磁器の歴史を学ぶ

ナカムラさんのワークショップのユニークなところは、金継ぎの実習だけでなく、日本の器の歴史について学びの機会を設けていること。縄文土器の欠片を愛でながらうれしそうに語るナカムラさんを見ていると、本当に器が好きで、その魅力を多くの人に伝えたいという思いが溢れ出ているのがわかります。歴史の教科書でしか見たことのなかった弥生土器から伊万里、備前、青磁など、いろいろな陶片に実際に触れながら、その当時の生活に思いを馳せる。ほんの少しの間ですが、日常を忘れさせてくれるロマンティックな時間です。

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陶磁器の種類や時代背景を知ると器への興味もいっそう湧いてくるうえ、古きよきものを後世に残すという金継ぎの役割も一段深く理解できるようになります。

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奥深き金継ぎの世界

このワークショップで気がついたのは、"金継ぎ"とはただ器を修復するのではなく、その過程で自分の心と向き合い、心を無にする作業でもあるということでした。そういう意味では、禅に近いと言う人もいます。また、器をつなぐだけでなく、過去と未来、人と人、そしてものを大事にする心をつなぐものであることも知りました。

さらに今回は、"サプライズ金継ぎ"という言葉を初めて聞いたのも収穫。大切な人が使っていて欠けてしまった器をこっそり直してあげたい、というやさしい気持ちのこもった金継ぎです。楽しく直して、喜ばれて、みんなが幸せな気分になれる。どうやらハッピーの連鎖にもひと役かっているようです。

不完全の美を愛で、繕いを楽しみ、愛着のある器を長く慈しむ。「大事な器を割ったり欠いてしまったときのがっかりした気持ちも不思議と軽くなり、半永久的に直せるので、いい器も普段使いしたいと思うようになる」とナカムラさん。

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金継ぎをすることで、壊れているものやヒビでさえ美しいと思え、世界のすべてに美しいものを見出せるようになる。すると、価値観が変わり始めると言います。その感覚を多くの人に体験してもらいたいので、カジュアルに挑戦できる金継ぎのワークショップを10年も続けているのだとも。多くの気づきがあった金継ぎの世界。ぜひ、気軽にトライしてみてください。

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ナカムラクニオ
1971年生まれ。映像ディレクター/荻窪のブックカフェ「6次元」店主。金継ぎ作家としても活動し、全国でワークショップを開催中。著書に『金継ぎ手帖』(玄光社)、『人が集まる「つなぎ場」のつくり方――都市型茶室「6次元」の発想とは』(CCCメディアハウス)など。
[YOUTUBE] KINTSUGI PIECES IN HERMONY
https://youtu.be/i8m_AeTGcmk

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2019/3/21取材
2021/6/24編集

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6次元
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東京都杉並区上荻1-10-3 2F
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金継ぎ短期集中講座
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内容:器の美術史、器用語の基礎知識、材料の選び方、金継ぎ実習など
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http://rokujigen.blogspot.com
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参考コスト
参加費
材料・金継ぎキット込み
10,000円
参考コスト合計金額
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