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グルメ
2019.08.02
もぐもぐ&ごくごくタイムを豊かに彩る、新しい有田焼 8,000円

mg&gkの「フィナンシェと紅茶の器」

17世紀初頭に朝鮮からやってきた陶工たちの手で、磁器がつくられてからおよそ400年。そんな、ものづくりの文化が息づく佐賀県有田町で、2019年に生まれた器の新ブランドが「mg&gk(もぐとごく)」です。手がけたのは、この地で約60年の歴史をもつ窯元・渓山窯。その誕生の背景には、由緒ある伝統を大切にしながらも、自由な発想でブランディングの支援を行う官民連携のプロジェクトがありました。


mg&gkは、中川政七商店と佐賀県の共同コンサルティング事業、さが土産品開発コンサルティング(※)の一環として開発が進められたもの。1716年に創業した中川政七商店は、工芸業界で初めてSPA(製造小売)業態を確立した奈良の老舗です。近年は"日本を元気にする!"をビジョンに掲げ、全国の工芸メーカーのコンサルティング事業も展開しています。

このmg&gkの発表にあたり、外部コンサルタントとしてかかわったのが、クリエイティブディレクターでプロダクトデザイナーの辰野しずかさん。全国のつくり手から引く手数多の彼女に、中川政七商店の島田智子さんとともにお話をうかがいました。
※製造業に携わる佐賀県内の企業に対して、経営診断からブランディング、商品開発、流通・販売、情報発信までの一貫したコンサルティング支援を1年にわたって行うもの。

有田焼の器を、もっと気軽に使ってもらうために

有田焼の器を気負わず、ちょこっと"もぐもぐ、ごくごく"食べたり、飲んだりするときに使ってもらいたい、と考えられたmg&gk。その第一弾として発売されたのが、たっぷり紅茶が入る大きめのティーカップと、ちょっとしたおやつをのせるのにぴったりなお皿のセット「フィナンシェと紅茶の器」です。

渓山窯の強みを生かしつつも、新境地を切り拓くようなものづくりを、とプロジェクトに取り組んだ辰野さん。彼女が中川政七商店の代表取締役会長である中川政七さんからさが土産品開発コンサルティングの第2期のコンサルタントを引き受けてほしいと声をかけられたのは、2017年2月のことでした。

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「中川さんは『とにかく佐賀の会社を元気にしていきたいんだ』とおっしゃっていました。そのためには、ブランドづくりの上流にある経営のフェーズを見ていかなくてはいけない、と。私はビジネスの専門家ではないので、決算書の見直しなどは中川さんにお願いしたのですが、そうした数字を理解したうえで、問題があればそのつど相談しながら商品開発を進めるということ自体、私にとっても非常に大きな挑戦でした」

工芸のリテラシーを備えたデザイナー

一方、辰野さんがコンサルタントとして選ばれた理由について、中川政七商店のコンサルティング事業部で部長を務める島田さんはこう話します。

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「辰野さんは、箔アクセサリーの『HAQUA(ハクア)』などのデザイナーとしても著名な方でありながら、工芸というある意味、特殊なものづくりへの理解ももっていらっしゃいます。また、商品をデザインして終わりではなく、それを伝え、届けるための"販売"にまで積極的に携わっていて、流通・小売まで責任をもって展開する中川政七商店のスタンスとの親和性を感じました」

さが土産品開発コンサルティングの第2期は、厳正な審査のもと選ばれた3事業者と3人のコンサルタントの組み合わせで進められましたが、辰野さんと渓山窯との組み合わせはごく自然に決まったよう。「バスでいろいろな会社を見学して回ったときに、自分に向いていると思ったのが渓山窯でした。そしたら、中川政七商店さんも"渓山さんはどう?"って言ってくださって」と辰野さん。

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「家族経営ということもあって、渓山窯にはほんわかとした緩やかな空気が流れているんです。3代目の篠原祐美子さんもそんな感じ。仕事にもそんな空気感が反映されているのか、おおらかで瑞々しい絵付けを得意としています。ただ、現行の商品を見ると、パッと見て渓山窯のものだとわかるものが少なかったのも事実。有田焼にはたくさんのブランドがありますが、そのなかで埋もれないようなものをつくるには、ほわっとした絵付けの魅力を生かして、今まで見たことのないものをつくる必要がある、と考えたんです」

呉須の特性と窯元の個性をひとつに

そこで辰野さんがたどり着いたのが「薄く絵付けをする」ということでした。

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「有田焼では顔料に呉須(ごす)をよく使いますが、呉須というのは他の顔料に比べて材料をすごく細かく挽くので、非常に透過性が高いんですね。だから、すごく薄く描くことで良さが生かされるし、ほかとは違うものができると思いました。とはいえ、何を描いてもいいわけじゃない。有田でよく見られる伝統文様を使えば、より違いが際立つと考え、『七宝』『麻の葉』『波』『縞』といった、伝統文様をベースとした柄を描いてもらうことにしました」

実際に描かれた柄は、淡く柔らかで、非常に繊細。幾何学的な文様にもかかわらず、ふわりと優しい雰囲気が漂います。

「職人の方が苦労されたのは、薄すぎて焼く前に描いた跡が見えないということだったようです。水と顔料の割合も何対何と決めてみては、と提案しましたが、それではうまくいかないそう。結局、最後は職人の勘なんですね」

本当に自分が欲しいものをつくることの大切さ

さて、「フィナンシェと紅茶の器」に話を戻しましょう。「ああでもない、こうでもないと話をするなかで、フィナンシェと紅茶という組み合わせになりました」と辰野さん。汎用性があるものではなく、あえてフィナンシェと紅茶というメニューを決めてからデザインしたというのがユニークです。

「こういうのって『自分だったらこれが欲しい!』という、つくり手側の本気の想いがないと、いいものができないと思うんです。今回は、コーヒーよりもフィナンシェに合う紅茶がいい、でもオフィスで飲むならソーサーはいらない。ただ、"紅茶を飲んでます感"は欲しいし、小さすぎると何回も注ぎ足さなくちゃいけないから大きめのものがいい、両手で包み込んだときにフィットするようなものにしたい、柄は和風すぎないように......という感じで、私が本当に欲しいものをかたちにしていきました。おっとりとした絵付けとおっとりとした形の組み合わせでは見た目が重たくなる。でも繊細すぎてもオフィスで使うのには合わない。大らかながらスタイリッシュなフォルムを目指したんです」

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母の日に合わせて兵庫県芦屋発祥の洋菓子の名店、アンリ・シャルパンティエのフィナンシェが8個入ったコラボレーションモデル(8,000円(税抜) )を発表して注目を集めたこともあり、ブランドの滑り出しは上々。

「フィナンシェと紅茶の器」のように、今後も「○○と○○」という組み合わせで、ちょこっと飲んだり食べたりするためのものを出していくそうです。"○○と○○"といえば、"mg&gk(もぐとごく)"という、名作絵本のタイトルみたいに覚えやすく、可愛らしいネーミングも印象的。辰野さんもこの名前には満足しているそうです。

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「中川政七商店さんと渓山窯の篠原さん、私の3人で考えました。"○○と○○"みたいな名前にしたいね、というのは最初から話していたこと。そのうえで、ちょっと食べる、飲むという行為をストレートに表現したものがいいと思い、最終的に『mg&gk(モグとごく)』になりました。手書きのロゴデザインは友人のカリグラファー、島野真希さんによるもの。堅すぎず、エレガントななかにちょっとした緩さも入れてもらいました」

第二弾となる「ぼうろとほうじ茶の器」は、2019年9月の発売を予定しています。

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辰野しずか(左)
株式会社 Shizuka Tatsuno Studio 代表取締役 クリエイティブディレクター/​プロダクトデザイナー
1983年生まれ。英国のキングストン大学プロダクト&家具科を首席で卒業。デザイン事務所を経て、2011年に独立。2017年より株式会社 Shizuka Tatsuno Studioを設立。家具、生活用品、ファッション小物のプロダクトデザインを中心に、企画からディレクション、付随するグラフィックデザインなど多岐にわたる業務を手掛ける。現在は地場産業の仕事に力を入れ「長所を生かしていく、伝えていく、つなげていく」をテーマに製作。2016年 ELLE DECOR日本版「Young Japanese Design Talents」賞など受賞多数。

島田智子(右)
株式会社中川政七商店 コンサルティング事業部 部長
1985年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社みずほ総合研究所、株式会社ポーラ・オルビスホールディングスなどに在籍後、2008年、中川政七商店入社。小売店、飲食店、織物メーカーなどの事業社向けコンサルティングに従事。また、全国の中小企業やデザイナー向けに開催している「経営とブランディング講座」のコンテンツ開発及び講師を担当している。

2019/3/21取材
2021/6/24編集

参考コスト
フィナンシェと紅茶の器 アンリ・シャルパンティエモデル
(フィナンシェ8個入り)
8,000円
参考コスト合計金額
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