数々の高級チョコレートブランド発祥の地として知られるベルギー。ショコラティエたちのプライドが歴史を彩るなか、王室御用達ブランドへとのぼりつめたのが「ヴィタメール」です。あのピエール・マルコリーニもヴィタメールで修行していたといいます。

そんなヴィタメールから毎年初夏に発売されるチェリーボンボンは、日本限定の人気チョコレートです。かわいい見た目と大人な味わい、一度食べたら心をつかまれます。

フィリップ国王陛下が愛するパティスリー

ベルギーの首都・ブリュッセルで創業したパティスリー「ヴィタメール」。1910年から続くベルギー屈指の老舗チョコレートブランドです。アンリ・ヴィタメールのこだわりのもと「本物の味」を追求し続け、絶対的なブランドを築き上げました。

そもそも、なぜベルギーのチョコレートは最高級と評価を受けるようになったのでしょうか。有名な話では、昔チョコレートの定義を決める論争がヨーロッパで行われた際に、他国が製造において代用油の使用を認めたのに対して、ベルギーは「カカオ100%でなければチョコレートではない」と主張したことが発端なのだとか。

数多のチョコレートブランドがあふれるベルギーで、王室御用達になるのは並大抵のことではないでしょう。その背景には、歴代のヴィタメール氏による強い職人魂があったようです。

「ヴィタメール氏は素材・技術・道具......すべてにおいて妥協を許さない生粋の職人でした。部外者が入れない、門外不出の仕込み場もあったんです」とヴィタメール・ジャポン（株式会社エーデルワイス）ブランド担当の森井さんが語ります。

やがてヴィタメールが生むおいしさは国内に評判が広がり、王室の耳にも届きました。現在のベルギー国王・フィリップ陛下は皇太子の頃からヴィタメールを愛用していたそうで、当時本店の2階に併設されていたカフェがお気に入りの場所だったといいます。

キルシュ酒がとろける、芳醇なボンボンショコラ

国王と国民のハートを掴んだヴィタメールは、日本の洋菓子メーカーと協業のもと、株式会社ヴィタメール・ジャポンを設立。1990年に日本に2号店をオープンして以降、大丸東京店（写真）をはじめ全国20店舗以上を展開し、ベルギーで研修を受けたシェフたちが日本の文化に合ったチョコレートを生み出しています。

毎年6月1日から7月中旬頃まで数量限定で発売される「チェリーボンボン」は、根強いファンがいるチョコレートのひとつ。登場以来20年経つ今も人気が衰えず、スイーツ好きの大人を虜にしています。

パッケージは手に取りやすいかわいらしさ。箱を開けるとさくらんぼの形そのままのチョコレートがきれいにおさまっています。

旬の味を楽しむ商品として生まれたというチェリーボンボン。さくらんぼは山形県産の「佐藤錦」を使い、キルシュ酒（発酵させたさくらんぼの果汁から造るブランデー）に1年間漬け込んで、甘さ控えめのフォンダンで包みます。仕上げにスイートチョコレートでコーティング。フォンダンにもキルシュ酒が少々入っています。

食べる際は「1口でお召し上がりください」とのこと。口に入れれば、チョコレートとハリのあるさくらんぼが弾け、中からキルシュ酒がジュワッと溢れてきました。華やかな香りとスパイシーなお酒が口の中に広がり、しっかりと余韻があります。一粒でも高い満足感です。

また、冷蔵庫で一週間ほど寝かせてから食べるのもおすすめです。時間が経つとチョコレートの中でさくらんぼの液状化が進み、お酒のアルコールもほどよく飛ぶので、まろやかな風味になるのだそう。実際に味わってみると、さくらんぼ・チョコレート・キルシュ酒の三位一体感が増し、深みが感じられました。

農作物を丸ごと使うチェリーボンボンは、毎年同じものをつくることが難しいと森井さんは語ります。「自然の中で作られた天然物ですから、その年々でサイズや質感が変わります。また気温や湿度などの要因もチョコレートの仕上がりに影響を与えます。毎年細やかにレシピを調整しながら、みなさんに求められる味をつくり続けています」。

国境を越えて共鳴した菓子職人の情熱

王室御用達になった頃、世界各国から業務提携のオファーがあったヴィタメール。しかし「目の届く範囲でおいしさを届けたい」という想いが強く、すべて断っていたといいます。そんなブランドがなぜ、遠く離れた日本に上陸したのでしょうか。

「仕込み場に初めて外部の人間で立ち入りを許されたのが、エーデルワイスグループの前会長・比屋根（ひやね）でした。洋菓子職人だった比屋根は、日本にヨーロッパの本物のブランドがつくるおいしさを伝えたいという思いがあり、ベルギーに足繁く通っていました」（森井さん）

運命が動き出したのは1986年。製菓コンテスト「ワールドケーキフェア」が開催され、比屋根氏はグランプリを獲得しました。そのニュースを聞きつけたヴィタメール氏は、自身に負けず劣らずの職人魂を持つ比屋根氏と意気投合。彼になら......とブランドを託すことを決意したのです。

ヴィタメールが大切にしていることの一つに「身近な素材を厳選すること」があります。実際、チェリーボンボンに使用している佐藤錦は日本で一番生産量が多く、手に入りやすい品種です。そこにはこんなこだわりがありました。

「希少な素材を使ったチョコレートに高い価値が生まれるのは当然のこと。そうではなく、身近なものの中から上質な素材を選び抜き、自分たちの技術で最高の味わいを表現して価値を生み出すべきである。これが、先代からの教えです」（森井さん）

来年はヴィタメールが日本に誕生して35周年。伝統と王室御用達の特別感はそのままに、親しみやすい味わいをこれからも大切にしていきたいと意気込みます。

チェリーボンボンはプレゼントにぴったりの5個入のほか、1個単位でも購入可能。ベルギー王室が認めた味わいを、楽しんでみてはいかがでしょうか。

Words：Yui Ichihara
Photos：Yasuharu Hoshino

2024/5/9

＜ストーリーに関するご留意事項＞

ストーリーは、BANKアプリ限定貯蓄預金（The Savings） の目標設定を具体的にイメージするための情報提供を目的として委託先が作成した記事に、あおぞら銀行がVisaデビットの利用促進のためのサービス紹介などを追加したものであり、掲載の商品・サービスの誘引が目的ではありません。また、掲載内容は、作成時点における委託先における意見・見解が含まれるもので、個社・個別の商品・サービスを推奨・保証するものではありません。ストーリー内記載のコストは参考値であり、その他諸費用がかかる場合があります。特段の記載のない限り、ストーリー内記載のコストは税込価格とし、税率は10％（軽減税率適用商品は8％）とします。ただし、イートイン・テイクアウトで税率が変わる商品もありますので、詳しくは直接商品・サービスの取扱業者にお問い合わせください。各種割引、キャッシュバックなどは含まれていません。

情報の正確性、完全性、信頼性、適切性等に加え、配信時点で当該商品・サービスが存在すること、お客さまの購入・利用の可能性、価格および掲載企業（人）の内容に関し、あおぞら銀行は一切保証するものでありません。併せてご紹介するVisaデビットに係る優待サービスやキャッシュバックについては、予告なく変更または終了する場合があります。詳細については必ずリンク先のあおぞら銀行HPをご確認ください。また、投資勧誘や特定銘柄の推奨を目的とするものではありません。掲載情報に基づき行ったお客さまの行為および結果等について、あおぞら銀行は一切の責任を負いません。

掲載画像はイメージであり、実物の商品やサービスなどと異なる場合があります。

掲載の商品・サービスに関するお問い合わせは、あおぞら銀行窓口・コールセンターではお受けできません。直接商品・サービスの取扱業者にお問い合わせください。

BANKアプリ限定貯蓄預金（The Savings）はBANKアプリのみで提供されるサービスです。

BANKアプリ限定貯蓄預金（The Savings）およびBANKアプリ、および併せてご紹介するVisaデビットに係る優待サービスやキャッシュバックについては、あおぞらホームコール(0120-250-399)にお問い合わせください。