ちょっと高級なスーパーや食材専門店で、最近「グラスフェッド」という言葉を目にしませんか？　カタカナで表記されると、何だかキャラクターの名前みたいですが、英語で書くと「Grass fed」つまり「草を食べた」という意味で、その後にビーフやバターがついているはずです。つまり牧草のみで飼育された牧草牛のお肉やバターということになります。
とくに赤身が中心の「グラスフェッドビーフ」はダイエットやヘルシー志向、アンチエイジングに興味のある人々の間で支持されています。近年はサシの入った、つまり脂身を含んだ牛肉を育てるために、ほとんどの肉牛は穀物で育てられています。一方で「グラスフェッドビーフ」は牛が本来暮らすべき環境を作り、牧草で育てられたものになります。ですから、アニマルライツを重んじるトレンドや、環境に配慮したサスティナブルな牛肉という観点でも注目を集めているのです。今回は、「グラスフェッドビーフ」の魅力について、都内で人気の塊肉専門店「肉塊 UNO」さんに聞いてみました。

グラスフェッドビーフはどこで手に入れる？

安心な国内産で「グラスフェッドビーフ」を探そうと思っても、残念ながら、日本においては、牧草地の確保の難しさなどから、実に99%が「グレインフェッド（穀物飼育）」の肉牛だと言われています。そこで注目されているのが、広大な牧草地を確保できる外国産のものです。
そんな外国産の牛肉のなかでも、「グラスフェッドビーフ」に特化して、レストランでの提供やオンライン販売をしているのが「肉塊 UNO」です。
「良質な牧草牛は美味しいですし、栄養価が高く、僕自身もグラスフェッドビーフを食べて−20kgのダイエットを成功させた経緯があります。その良さを広めようと、お店やオンライン販売をはじめました」と代表の宇野翔士さんは語ります。実際、2016年に登場したグラスフェッドビーフ専門レストラン「肉塊 UNO 虎ノ門店」はそのコンセプトに共鳴するように、瞬く間に人気店となり、溜池山王店、恵比寿店と新規店を続々とオープンさせています。

家庭で手軽に楽しめるハンバーグ！

そんな人気店の味を家庭で手軽に楽しめるのが、オンラインで販売される「グラスフェッドビーフ」です。「厳選された良質な牛肉を仕入れています。ステーキ、カレーなどの商品もありますが、まずはハンバーグを味わっていただくと、グラスフェッドビーフの魅力が分かると思います」と宇野さん。
牧草牛100%、赤身の希少部位であるイチボとランプの塊肉からミンチして作られるハンバーグは「牛肉・玉葱・卵・塩・醤油・黒コショウ」だけを原材料としており、添加物や化学調味料は不使用。素材への自信と、健康への配慮を感じさせる商品です。

実際に「肉塊 UNO」のサイトで、ハンバーグを注文してみました。冷凍状態で届けられるので、食べたい分だけを解凍します。冷蔵庫で１日、もしくは水や氷水につけることでも解凍ができます。あとは薄く油を引いたフライパンで焼くだけでOKです。

肉本来の旨味を持ちつつヘルシー！

調理方法が記されたガイド用紙の通り、表・裏とも２分間焼いて、少しの水を入れて7分ほど蒸し焼きにします。取り出したハンバーグを盛り付ければ、それで完成です。宇野さんに付け合わせのソースなどをお聞きすると「肉の味がダイレクトに分かる塩のみ、もしくはワサビと塩であっさり食べるのがオススメです」とのこと。シンプルに塩のみで食べてみましたが、ジューシーな肉汁がほとばしり、肉の旨味が口の中に広がります！正直、赤身肉よりも、脂身の入った肉が好きだったのですが、この食べ応え、濃厚なお肉の味と、すっかりクセになりそうです。その上、身体が喜ぶというかヘルシーな感じが食べながら実感できます。

鉄分・ミネラル・オメガ3が豊富！

「グラスフェッドビーフ」は、自然な環境で育つ牧草牛のため、良質なタンパク質を含み、脂質が少なく赤身が多いのが特長です。そして鉄分や亜鉛、ビタミンやミネラル、オメガ３、カルニチンなどの栄養素が豊富。なかでも体脂肪を燃焼させるカルニチン、中性脂肪を下げ代謝を改善し美肌にもいいとされるオメガ３は、ダイエットや身体づくりの強い味方です。モデルやアスリートが「グラスフェッドビーフ」を好んで食べるのも納得できます。

BBQでも人気の一品に！

あまりの美味しさに、みんなにも紹介したくなって、とある日のBBQにこちらのハンバーグを焼いてみました。解凍さえすれば、パックから開けて焼くだけなので、面倒なことは一切なし。早速炭火でグリルしてみて、振る舞いました。「肉の味がしっかりしている！」「肉の香りが広がる〜」「歯応えと食べ応えが十分で満足できる！」と全員から好評価。そして「グラスフェッド」という環境に優しいコンセプトも、アウトドア好きにはささっている様子でした。青空の下でワイルドに焼く「グラスフェッドビーフ」も、一味違う味わい深さがあるなと感じさせてくれます。

「肉塊 UNO」では、今後サブスクリプション（定期定額制）での販売も開始する予定とのことなので、定期的に「グラスフェッドビーフ」を食べることで、ダイエットや肉体改造にも使えそうです。

Words: Tomohiro Tsuchiya @ Yellowjam
Photos: Hiroyuki Joraku

2021/1/30

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