レストランで自分の好みやお料理にぴったりのワインをビシッと注文できる。ワイン店に並ぶ無数のボトルから、外れなしの1本を買って帰れる。数本のワインを飲み比べるだけで、そんな「ワインがわかる人」になれる「Because,ワインシリーズ」が人気です。販売するフィラディスのブランド戦略室長で、JSA認定ワインアドバイザーでもある吉田淳さんと一緒に商品を試飲させていただきました。

商品名は「産地名×ブドウの品種名」で一目瞭然

「Because, ワインシリーズ」は、商品名が「I'm シャルドネ from カリフォルニア」のように、「ブドウの品種＋産地名」になっています。石田大八朗社長や所属するソムリエ資格を持つスタッフたちが世界各地のワイナリーに赴き、「それぞれの産地らしさとブドウの特徴が表現されていること」「ワインとしての魅力があること」「日本人の好みに合うこと」の三つを重視してブレンドをしているので、あれこれ試さなくてもこの1本でブドウと産地の特徴をしっかりとつかむことができます。

さらに、ワインをタンクで運び日本国内で瓶詰めすることで輸送コストを3分の1程度に下げ、1本1,320〜2,200円（税込）というお手頃な価格を実現しています。同社はもともとロマネ・コンティやムートン・ロートシルトといった高級ワインの輸入販売を手掛けており、社員の約6割にあたる60人ほどがソムリエまたはソムリエとソムリエに準ずる資格を持ったプロ集団ですから、味わいは折り紙付き。入門者向けだけではなく、上級者も楽しめる究極のテーブルワインを目指して開発したそうです。

横浜市のフィラディス本社で、JSA認定ワインアドバイザーでもある吉田淳ブランド戦略室長に「Because, ワインシリーズ」の楽しみ方を教えていただきました。

「ワインはブドウ100％で造るので、味のごまかしが効きません。造り手の技術ももちろん必要ではあるものの、おおまかな味の方向性はブドウの品種、土地の特徴、気候によってほぼ決まります」と説明を受け、いよいよ試飲スタートです。

産地で全く違う味わい　ラベルにヒントが

最初に試飲したのは「I'm シャルドネ from カリフォルニア」と「I'm シャルドネ form 南フランス」の2本。同じブドウ品種（シャルドネ）で揃えることで、産地ごとの違いを知る狙いです。

ちなみに筆者は、ワインは半可通にも届かないレベルの日本酒飲み。それでもグラスを顔に近づけるだけで二つが全くの別物とわかりました。トロピカルな果実の香りが立ち上るカリフォルニア産に対して、南フランスは可憐な花のようなさわやかな香り。口に含むとパーッと明るいフルーツ感が広がるカリフォルニア、すっきりエレガントな南フランスという個性の違いがよくわかります。

感想を伝えると、吉田さんはにっこり笑って「おっしゃるとおりです。実は、瓶にヒントが隠されているんです」。「Because, ワインシリーズ」のラベル（エチケット）に描かれたイラストは、ワインが持つ香りのヒントになっています。イラストがちょっと抽象的でわからなくても、裏面に答えが書いてあるので安心です。

カリフォルニアのシャルドネに描かれているのはパイナップル、バニラビーンズ、そしてクロワッサン（！）。南フランスのシャルドネの方はお花、レモン、アーモンドです。そう言われてから改めて飲み比べると、うん、確かにカリフォルニアからはバニラビーンズ、南フランスからはアーモンドの香りがしてきます。残念ながら、筆者の鼻ではクロワッサンの香りを感じることはできませんでした。

赤ワインに変えても「産地っぽさ」は共通？

つづいては赤ワイン、カリフォルニアと南フランスのピノ・ノワールをいただきます。こちらもやはり、カリフォルニアからは華やかなフルーツの香りが、南フランスからはやや儚いお花のような香りが漂います。なるほど、「同じ産地・違うブドウ」のワインを飲むことで、産地ごとの性格がはっきりと見えてきます。

「もちろん作り手は最適なタイミングでブドウを収穫するのですが、やはり温暖なカリフォルニアの方が熟した状態になりやすく、香りや味わいがフルーティーで強いものになることがわかっていただけると思います」と吉田さん。

筆者が「私はパーッと楽しく飲むのが好きなので、カリフォルニアが好みかもしれません」と伝えると、吉田さんは「目的に合わせて選ぶのも素敵ですよ。例えば読書をしながら静かに飲むときには、南フランスの方が合うと思いませんか？」。いや全くその通りです。まさかたった4本の試飲で、その日の気分に合わせてワインの産地を選ぶ人間になれるとは......。

「カリフォルニアは華やか」は間違いでした

最後は、赤ワインをもう1品種。カリフォルニアと南フランスのカベルネ・ソーヴィニヨンをいただきます。「はいはい、カリフォルニアのほうがフルーティーなのよね」と鼻を近づけると......あれ？？？　これ、産地が逆じゃないですか？　明らかに南フランスの方がベリーのような果実の香りが強いんですけど。

「そうでしょう。ブドウはもともと、熟すごとに酸っぱさが減り、赤いベリーのような香りと味わいを経て、黒いベリーやジャムのような香りと味わいへと変化していきます。時間をかけて熟させて甘みを引き出す晩熟タイプのカベルネは、特にその傾向が強くなります。温暖なカリフォルニアでしっかり熟したカベルネよりも、南フランスのカベルネの方によりベリー感を感じるのはそのためです」と吉田さん。

なるほど、今度は同じ赤ワインでもブドウ品種による違いを知ることができました。「カリフォルニアの方が暖かいから華やか」なんていう単純なものじゃないんですね。

吉田さんは「ワインはある程度の知識を持っていた方が、楽しみが何倍にも広がります。『Because, ワインシリーズ』も活用して、まずは10種類のブドウ、10箇所の産地のワインを味わってみていただければ、ワインのことがおおまかに理解できると思いますよ」。

「Because, ワインシリーズ」は現在11種類。今後もどんどん拡大していく予定だそうです。フィラディスの通販サイトのほか、大手通販サイトやスーパー・百貨店（一部店舗のみ）でも購入できます。

Words: 言語化工房ぐり
Photos: 株式会社 KPS

2024/2/8

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