"ウィズ･コロナ"が世界的なスタンダードとなりつつある昨今、ライフスタイルもその環境に合わせて柔軟に変化させるべき。余暇の過ごし方も、可能な範囲のなかで楽しみを積極的に探し出す姿勢が大事なようです。筆者の周囲でも、自宅で家族とともに穏やかに過ごす時間を大切にしている人たちが増加中。そこで、我が家も週末の外食を控え、いつもより趣向を凝らしたディナーで団らんを楽しんでみようと思い立ちました。

テーブルを華やかに演出してくれるドリンクといえば、ワインが定番です。気分やメニューに合わせ数種類のワインを用意しておくことで、食事の時間をお手軽かつお洒落にアップグレードできることはすでに経験済み。とはいえ、家庭の冷蔵庫やワインクーラーなどで美味しく冷やせる白ワインやシャンパーニュとは異なり、熟成させた赤ワインを真に味わうには「デキャンタージュ」がマストになります。デキャンタージュとはワインボトルの抜栓後に、別の容器（デキャンタ）に移し替える作業のことですが、素人にも簡単にできるものなのか。

そもそもデキャンタに移し替える意味は、ワインボトルの底に残った澱（おり）まで飲んでしまわないようにするため。また、それによってワインを空気に触れさせ、そのワインがもつ本来の香りを開かせて、独特の渋味をまろやかに変えるという目的があります。しかし、このデキャンタージュという行為は熟練のソムリエが得意とする技のひとつであり、経験のない筆者が完璧に行うには少々の修練が必要。さらに、専用のデキャンタを別途用意しなければならないとなると、いっそうハードルは上がってしまいます。

そこで注目したのが、最新の電動ワイン･ディスペンサー「ビナエラ」です。こちらは、お好みのワインボトルの先端にこのディスペンサーを差し込み、ボタンを押すだけでデキャンタージュを経たかのようなワインがボトルから直接グラスに注げるというアイテム。ポイントはディスペンサー内部で行われる"エアレーション"という行程にあります。ただ単にボトルから吸い上げるのではなく、ワインに最適な量の空気を含ませつつ注ぐことができるため、通常のデキャンタージュのように移し替える手間と風味の変化を待つ時間（通常30〜40分）も必要ありません。これならワインビギナーでも、失敗することなく本格ワインを楽しめそうです。

独自エアレーション技術が美味しさの秘密

説明書によると、エアレーションはディスペンサー内部で行われるため、デキャンタなど替えの容器は一切不要とのこと。液ダレなどの心配もなくスマートにワインを注ぐことができることに加え、時間をかけずにワイン本来の香りを引き出せるというのも魅力的です。そもそも筆者はアルコールにそれほど強くなく、せっかくのワインも飲みきれずボトルに残してしまうこともしばしば。でも、ビナエラなら、コルクを抜いてもすぐにディスペンサー本体で栓をした状態となるので、翌日も過度に酸化することなく本来の風味を継続して楽しむことができます。これなら無理にボトルを飲み切る必要もなく、自分のペースでゆっくりとワインを楽しめるはず。筆者にとって、まさに理想のディスペンサーといえそうです。

早速商品を取り寄せ、自宅でビナエラを使用してみたところ、これが想像していた以上。まず料理の仕上がりを考慮して、あらかじめデキャンタージュを済ませるなどの面倒もなく、飲みたいときにボトルを開けられる気軽さに惹かれました。料理好きの筆者の場合、料理を複数手がけながら出来上がったメニューから順次テーブルに運び、"食べながら、つくりながら"というスタイルがほとんど。そうなると調理しつつ、ワインにも気を払い、同時に会話にも配慮することとなり、どうしても気ぜわしくなってしまいます。ところがビナエラがあることで、以前よりも気軽に"食べながら、つくりながら"、さらには"飲みながら"、を実践できるように感じました。

比べてみればその違いは歴然

また、本製品のスペックを疑うワケではないのですが、ビナエラの実力を確かめるべく（特別ディナーにおける一余興として）ディスペンサーを通さず注いだグラスと、エアレーションを経たグラスを用意し、即席のテイスティングも実施してみました。結果、明らかにまろやかかつフルーティな風味に変化していることが実感でき、筆者はもちろん、同席した家族もその違いに驚きの声を上げるほど。いつもよりグラスが進んだことはもちろん、ワインを肴に会話に富んだディナータイムを過ごすことができたのでした。

高価なワインのポテンシャルも手軽に引き出せる

本格ワインは熟成度やブドウ本来のポテンシャルにより、デキャンタージュの方法や酸化の進行時間も変わるもの。それゆえ素人が手を出しにくい領域であるともいわれています。しかし、瞬時のエアレーションが可能で、かつ空気をワイン内に取り込む量を調節可能なビナエラは、手ごろなワインはもちろん、高価な１本も自宅で熟練のソムリエの手を介すことなく、誰もがポテンシャルを十分に引き出せます。ワンランク上のワインライフを容易に実現できるところも、実にプライスレスといえるのです。

ビナエラは、その優れた性能と同時に、デザイン性の高さでも注目を集める製品です。世界最大級のデザインコンテストとして著名な「reddot award2014」において「best of best」賞を獲得。また、国際ソムリエ協会や英国国際ワイン資格認定機関のソムリエから推薦を受けるなど、世界的なプロからも認められています。スマートなルックスがテーブル映えするところもお気に入りのポイントです 。

Words: Tsuyoshi Hasegawa @ 04

2020/9/10取材
2021/3/12編集

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