学芸大学駅からほど近くに、昨年オープンしたいい中華がある。カジュアルだけど、いわゆる町の中華という感じではなくて、どちらかというとワインバーという趣の『farm studio #203』。カウンター席だけの店だけれど、いつも賑わっていて外から見ても居心地がよさそうなのがよくわかる。

つぼみ菜と豆板醤、白髪ネギたっぷりのピータンなど、前菜のセンスもとてもいい。

間を開けず再訪問を果たし、前に食べた料理がどれも美味しかったこともあって、この日も似たようなメニューを注文してしまった。

山椒たっぷりの白子入りの麻婆豆腐、どろどろふんわり卵の蟹玉、そして酢豚も抜群。餃子が旨いのもポイント高し。〆にはリゾットのようなTKG（卵かけご飯）が用意されていて、これまた旨い。奇をてらっているわけではないが、前菜、湯、主菜、主食、点心と、各所に気が利いたメニューが揃っているのがうれしい。

ご主人の濱田さんはソムリエをされていたこともあるらしく、センスのいいお手頃なワインも充実。今回は4人で、白ワインにオレンジワインなど4本も空けてしまったが、そのほかにも「イチローズ・モルト」ウイスキーが置いてあったり、紹興酒もとても美味しい。

流石に予約はしてから行ったほうがいいと思うけれど、数日前でもまだ席が空いていることが多いので、臆せず気軽に問い合わせを。お値段は、お酒を飲み過ぎるとひとりで1万円くらいになってしまうけれど、食べ過ぎず飲み過ぎずの適量ならば、ふたりで1万円程度で済む。

2020年に出合った中華のなかでは月に一回くらいは行きたい抜群の一軒。そのうちに予約も難しくなってきそうだけど、次の訪問も今から楽しみです。


山本憲資　プロフィール
大学卒業後、広告代理店を経て、雑誌『GQ JAPAN』の編集者に。食、テクノロジー、カルチャーなど幅広い企画を手がける。その後、起業し2011年ソーシャルメディア「Sumally（サマリー）」をローンチ、続いて2015年にスマホ収納サービス「サマリーポケット」のサービスを開始。休日は、趣味の食べ歩きを全国津津浦浦と気ままに楽しんでいる。

2020/1/30取材
2021/6/24編集

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