この夏、渋谷の外れにオープンしたこちらのお店「Niru」。以前は「Small Food」というお店があったこの場所で、最初は間借りから始めた佐保秀郁シェフ。正式にこの場所を引き継ぐことになり、晴れてオープンとなった。

煮込みと自然派ワインがお店の特徴になっているのだけど、まずは前菜のセンスがいい。僕が特に気に入ったのは「桃のピクルス」。ティラミスの再構築ともいえる「マスカルポーネと珈琲黒豆」も印象に残った。どちらもデザートっぽいメニューかな、という先入観を覆し、軽めのワインとの相性もよくスターターとして気分が上がる。そのほかのメニューにも柿や巨峰が登場することも多く、ここのシェフの食材の組み合わせの引き出しの豊富さにはなかなか驚かされる。

グラスワインは常時７〜８種類。オレンジワインなどの変わり種がある日もあって、料理に合わせておすすめを提案してくれる。ボトルのセレクトも珍しいものが多くて、いつ行っても楽める。

この日、僕が食べたメインは「鶏モモ肉のレモン煮込み」。煮込み料理ながらさっぱりしていて、ワインとの相性もよかった。この日はお腹が膨れてそこまで到達できなかったけれど、シメに用意されている煮込みカレーの評判もよく、小腹がすいたときにはグラスワインに、前菜とシメのカレーの組み合わせでさらっと訪問するといった使い方もしてみたい。

お値段もお手ごろで、ワイン２杯程度であれば、予算はふたりで1万円程度。デートでも友だちとでも、おすすめのお店である。


山本憲資　プロフィール
大学卒業後、広告代理店を経て、雑誌『GQ JAPAN』の編集者に。食、テクノロジー、カルチャーなど幅広い企画を手がける。その後、起業し2011年ソーシャルメディア「Sumally（サマリー）」をローンチ、続いて2015年にスマホ収納サービス「サマリーポケット」のサービスを開始。休日は、趣味の食べ歩きを全国津津浦浦と気ままに楽しんでいる。

2019/10/2取材
2021/6/24編集

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