サステナビリティ経営
あおぞら銀行グループにおける「サステナビリティ推進の基本的な考え方」
様々なステークホルダーとの対話を通じて、現在および未来の課題に創造力を働かせ、
経済的価値と社会的価値を両立するためのチャレンジを続ける
ガバナンス
サステナビリティ推進体制
取締役会の監督のもと、サステナビリティ委員会を中心とした推進体制を構築し、経営戦略と一体化したサステナビリティの取り組みを推進しています。
取締役会は、サステナビリティに関する知見・経験を含む、多様性を備えた取締役で構成されており、当行グループの注力分野を中心とした経営目標である「あおぞらサステナビリティ目標」の設定および見直しの決議を行うほか、定期的な進捗状況の確認を行っています。
また、「あおぞらサステナビリティ目標」の進捗・達成状況は、業務執行役員の報酬を決定するにあたり重要な定性的評価として考慮しています。


「サステナビリティ委員会」「グループサステナビリティ連絡会」2023年度の開催状況
サステナビリティ |
グループサステナビリティ |
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メンバー |
CEO(議長)、サステナビリティ推進担当役員(副議長)、全業務執行役員、常勤監査役ほか |
サステナビリティ推進担当役員(議長)、グループ会社社長、関連施策の関係部ほか |
開催回数 |
8回 |
4回 |
主な議題 |
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(左記事項のグループ各社への情報共有に加え)
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サステナビリティ方針体系
経営理念を実践するための行動規範である「倫理・行動基準」のもと、人権方針・環境方針などの各種サステナビリティ関連方針を定めています。

2023年度の取り組み
- 国際基準への対応やサプライチェーンにおける責任明確化の動きなどを踏まえ、人権方針および環境方針を改定
- トランジション・ファイナンスへの取り組み、人権の尊重や生物多様性保全の観点から、環境・社会に配慮した投融資方針を改定
- グループにおける寄付・ボランティア等の社会貢献活動の意義・位置づけを明確化するため、社会貢献活動方針を制定
今後も世の中の動きに応じて順次見直しを図っていきます。
戦略
サステナビリティ重点項目(マテリアリティ)
当行グループのマテリアリティは、「経営理念実現のために、社会の潮流やステークホルダーからの期待・要請と、当行グループの企業経営に対する重要性を踏まえた注力すべき課題」と定義しています。
地球規模で対応が求められるグローバル課題として「気候変動への対応」・「人権の尊重」を、注力するビジネスを通じて社会的価値・経済的価値を生み出す観点から「産業構造転換の促進」・「企業の金融サービスへのアクセス拡大」・「DXの推進」・「事業・財産の形成、次世代への承継」を、当行グループの持続可能性に不可欠な経営基盤として「ガバナンス・コンプライアンス」・「人的資本の持続可能性向上」をマテリアリティとして選定しています。
引き続き経営環境の変化に対応した機動的な見直しを継続するとともに、経営戦略と一体化したPDCAサイクルを構築し、課題の解決に向けた取り組みをグループ一丸となって着実に推進していきます。
あおぞらESG支援フレームワーク
「あおぞらESG支援フレームワーク」により、金融・非金融両面のソリューションを提供することで、お客さまの環境・社会・ガバナンスなど、サステナビリティ課題解決の取り組みを支援しています。
サステナブルファイナンスの推進
「あおぞらサステナビリティ目標」として、 2027年度までの7年間にサステナブルファイナンス実行/組成額1兆円(うち、環境ファイナンス7,000億円)の目標を掲げています。
リスク管理
リスクアペタイト・フレームワーク/トップリスク
事業戦略・財務計画の達成に向けた適切なリスクコントロールを行い、持続的な企業価値の向上を図るために、リスクアペタイト・フレームワークを整備しています。
また、リスクの要因別に「信用リスク」「市場リスク」「流動性リスク」「オペレーショナルリスク」等のリスクカテゴリーに分類し、各リスク特性に応じた管理を行ったうえで、リスクを全体として把握・評価しリスクを制御していく、統合的なリスク管理態勢を構築しています。
トップリスクの認識においては、サステナビリティに関するリスクをトップリスクの各項目の中に落とし込み、取締役会やマネジメントコミッティー、サステナビリティ委員会における業務運営計画の議論等に活用しています。サステナビリティに関するリスクとしては、具体的に以下のリスクを特定しています。
- 与信費用の増加:気候変動や人権尊重に関して対応が遅れた投融資先の企業価値低下
- 当行の構造転換やビジネスモデルの転換の遅れ:サステナビリティ推進に消極的との外部評価による、ESG評価低下に伴う外貨調達コストの上昇、サステナブルファイナンス機会の逸失
環境・社会に配慮した投融資
「環境・社会に配慮した投融資方針」において、環境・社会に対し、負の影響を及ぼす可能性のある問題について、「セクター横断的」または「特定セクター」に係る取り組み方針を定めており、負の影響を及ぼす企業やプロジェクトの投融資を禁止、抑制するとともに、環境・人権課題等の社会的課題を抱え、ステークホルダーの期待に配慮した適切な対応を行わない企業と取引することのリスクを低減しています。
環境・社会に対し負の影響を及ぼす可能性のあるセクターへの取り組み方針
セクター横断 |
与信禁止 |
投融資を禁止する事業等 |
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慎重に与信判断 |
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プロジェクト・ファイナンス(赤道原則) |
赤道原則の適用対象となるプロジェクトに対する融資やプロジェクト・ファイナンス・アドバイザリーサービスを検討する際には、原則の要求事項が遵守されていることを確認する |
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特定セクター |
石炭火力発電 |
石炭火力発電所の新設や発電設備の拡張に対するファイナンスには取り組まない。なお、二酸化炭素回収・利用・貯留技術等の脱炭素社会への移行に資するお客さまの取り組みを支援する投融資については、前向きに取り組んでいく |
石炭鉱業 |
新規の炭鉱開発に対する投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する。環境への影響が大きい山頂除去採掘(Mountain Top Removal, MTR)方式で行う炭鉱採掘事業、発電事業向けに一般炭を供給する新規の炭鉱開発に対する投融資は行わない |
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石油・ガス |
オイルサンド、シェールオイル・シェールガス、石油・ガスパイプライン、北極圏(北緯66度33分以北の地域)での開発に対する投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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大規模水力発電 |
新規の大規模水力発電(堤防の高さ15m以上かつ出力30,000kW以上)に対する投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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バイオマス発電 |
バイオマス発電に対する投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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森林伐採 |
木材、紙、パルプなど森林伐採を伴う事業に対する投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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パーム油 |
アブラヤシ農園開発に対して投融資を行う際には、お客さまにNDPE(No Deforestation, No Peat, No Exploitation(森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ))を遵守する旨の公表を求める。パーム油の流通等関連する事業に対し投融資を検討する際には、RSPO (Roundtable on Sustainable Palm Oil)の認証等、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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たばこ製造 |
たばこ製造への投融資を検討する際には、児童労働・強制労働や健康被害に対する、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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非人道兵器 |
クラスター弾等の非人道兵器の製造に対する投融資は行わない |
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原子力・プラスチック・船舶・鉱山 |
関連する事業への投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮への取り組み状況や取り組み姿勢を情報収集する |
環境・社会に配慮した投融資を実践するための行内体制
マネジメントコミッティー承認により策定された投融資方針に基づき、全ての投融資案件について、環境・社会に対するリスクまたは負の影響の有無を判断し、リスクまたは負の影響があると判断した場合には、その重大性やこれに応じたお客さまの環境・社会問題への取り組み状況を踏まえた案件審査を経て、クレジットコミッティーまたは投資委員会にて取引の可否を判断します。
また、営業部店におけるお客さまの環境・社会配慮への取り組み状況・姿勢についての情報収集をサポートするために、チェックポイントを策定・周知するとともに、具体的事例の行内共有を行っています。


指標と目標
あおぞらサステナビリティ目標
経済的価値と社会的価値の創出に向け、グループ全体に共通する経営目標として、「あおぞらサステナビリティ目標」を設定、公表しています。
あおぞらサステナビリティ目標は、あおぞら型投資銀行ビジネスの推進や気候変動への対応など4つのカテゴリーから構成されており、当行グループの注力分野を中心に、中長期的な数値目標を設定し、環境・社会に対する持続的な貢献をコミットしています。