トップメッセージ

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ステークホルダーの皆さまには、平素より格別のお引き立てを賜り厚く御礼申しあげます。
4月1日に代表取締役社長に就任いたしました大見です。

2023年度第3四半期決算において、バランスシート上の課題だった米国オフィス向け不動産ノンリコースローンの追加引当と、有価証券ポートフォリオの再構築を行って、将来のリスクを大きく削減することを公表しました。いずれも時間をかけて回復を待つこともできましたが、好調な「あおぞら型投資銀行ビジネス」を中心とする顧客関連ビジネスに注力するために、問題を先送りせずに対処することとしました。

この結果、親会社株主純利益が赤字となり、自己資本比率が目標を一時的に下回ることになったため、第3四半期および期末の配当を見送ることとしました。期初に年間154円と予想していた配当が76円にとどまり、株主の皆さまのご期待に沿えない結果となったことについてあらためてお詫び申しあげます。

当行は、これからの社会に必要なスタートアップ育成、企業の合併・買収、クリーンエネルギー、事業再生等のファイナンスを得意としています。いずれも、将来を見通す専門性と経験が必要ですが、過去の実績に基づく審査を中心にしてきた金融機関は敬遠しがちです。当行は長期信用銀行として設備資金の融資を行ってきた経験から、こうした分野にいち早く取り組んできました。中期経営計画「AOZORA2025」では、企業の3つの成長ステージにおいて、当行の活躍の場が増えると考えています。

先ず、起業直後のお客さまを「育てる」場面です。当行がいち早く取り組んできた、上場を目指すスタートアップに対する融資(ベンチャーデット)が本格的な事業開始から約3年経ち、いよいよ今年度から上場する企業も現れてきます。

企業が「変わる」場面においては、社会が大きく変わり始めたことで、M&Aを利用した企業再編が活発になっています。経営者のご高齢化による事業承継や、上場企業の非公開化を加えると、M&A市場は今後も拡大が見込まれ、LBOファイナンスの需要はますます高まります。
脱炭素社会に「変わる」ために必要なファイナンスについても、当行は再生可能エネルギー向けのプロジェクトファイナンスの分野における有力なプレーヤーとして、地域金融機関ネットワークを活かした取り組みを進めてまいります。

企業の「再生する」場面においては、当行グループの「あおぞら債権回収」が長年の実績を有しています。地域金融機関ネットワークを活用し、地域金融機関や経営不振企業が抱える再生ファイナンスニーズに積極的に取り組んでまいります。

社会が大きく変わろうとしている今、「育てる」「変わる」「再生する」の各場面で、「あおぞら型投資銀行ビジネス」を通じて、当行グループが得意とする専門性の高いビジネスが社会の役に立つ時が来たと考えています。

また、GMOインターネットグループと共同で設立したインターネット専業銀行、GMOあおぞらネット銀行は、システムの内製化によるコスト競争力に優れている点が特長であり、各手数料を業界最安値水準に設定しています。スタートアップの口座開設にも注力しており、法人のお客さまの支持を集め順調に法人口座を伸ばしています。さらに、企業のシステムに銀行機能を組み込むAPI連携や、大規模なカスタマイズを伴うシステム連携であるBaaS(Banking as a Service)の提供などを通じて、お客さまのDXサポートを積極的に推進しています。

以上のように、顧客関連ビジネスの拡大とGMOあおぞらネット銀行の成長により、今年度はV字回復を達成することでお客さまと市場からの信頼を回復してまいります。また、今後の市場や金利の動向を踏まえて、リスク管理を徹底し、バランスシートの再構築を図ることで、早期に、安定的かつ持続的な成長を目指してまいります。

今後とも、あおぞら銀行グループへのご支援を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

2024年4月
代表取締役社長
チーフ・エグゼクティブ・オフィサー(CEO)
大見 秀人