遺言書のメリット 遺言書のメリット
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2025年5月2日

「遺言書のメリット」 #57

ライフプランを考えるうえで、事前に把握しておきたいのが親の財産です。
相続に関するさまざまトラブルを避けるために、事前に親族で話し合っておくことが非常に重要です。

「遺産」という言葉だけは、普段から何気なく聞いたりしますが正確にはどのようなものなのでしょうか。
「遺産」とは、人が亡くなった時にその人が保有していた財産のことです。
遺産には、金銭的な価値をもつプラスの財産(積極財産)と、借金などのマイナスの財産(消極財産)があります。
この遺産を相続人が引き継ぐことを「遺産を相続する」といいます。(民法では権利義務を承継する、と記載されています)
遺産を相続する場合、積極財産、消極財産を問わずあらゆる財産を引き継ぐことが原則です。

遺産を相続する人(法定相続人)は、民法で定められており亡くなった人の親族に限られています。
まず、妻や夫である配偶者は必ず相続人となり、次に子ども(子が先に亡くなっている場合は亡子の子(孫))、
子どもがいなければ親(親が先に死んでいる場合は亡き親の親(祖父母))、
親もいなければ兄弟姉妹というように相続順位が決められています。

では、この遺産相続について、相続人も相続順位も決められているのに何故トラブルが絶えないのでしょうか。
理由は、被相続人の意志が遺言等で明確に示されていない場合、相続人の間でその分割内容が決まらないためです。

今回は、そのようなトラブル解決のカギになりそうな「遺言」について解説します。

「遺言」とは、亡くなった方が生前に自分の死後「どの相続財産を誰に、どのような形で、どれだけ渡すか」という最終の意思表示をするものです。
その意思を「遺言書」として書面で残すことで、その内容が尊重されます。

遺言書には大きく分けて「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があり、それぞれ以下のような特徴があります。

遺言書の特徴

遺言書の特徴

自筆遺言証書
遺言者が自書して作成します。
財産目録は、パソコンなどで作成したものやコピーでも可。(保管場所は自由。原本を法務局で保管することも可)
(メリット)手軽に作成しやすい、費用がかからない、遺言の存在と内容を秘密にできる
(デメリット)無効になりやすい、遺言書が発見されない場合がある、詐欺や脅迫のリスク、法務局で保管の場合を除き家庭裁判所の検認が必要

公正証書遺言
公証人に依頼して作成します。
字が書けなくても代筆して作成することが認められており、原本は公証役場で保管されます。(保管場所は公証役場)
(メリット)公証人が代筆して作成可、無効となってしまうリスクが少ない、偽造・紛失のリスクが少ない
(デメリット)費用がかかる、手続きに時間がかかる

秘密証書遺言
遺言の内容は明かさず、存在する事実だけを公証役場で認証します。
自筆証書遺言が法務局で保管してもらえるようになったこともあり、現在ではほとんど利用されていません。(保管場所は自由)
(メリット)遺言内容を秘密にできる、パソコンや代筆でも作成可、公証人への手数料が安い
(デメリット)作成時に証人2人の立会いが必要、相続発生後に家庭裁判所の検認が必要、遺言書が発見されない場合がある

遺言書は、様式要件が定められています。
自筆証書遺言であれば、本文を自筆で作成することのほかにも、署名・押印や作成日付の記入などの要件を満たさなければなりません。
しかし、そうした要件を満たさないまま自分で遺言書を作成してしまい遺言が無効になるケースも多くあります。
また、遺言書の作成時点において重度の認知症などで遺言する能力がない、偽造された、第三者に強要された、
内容が不明確であるなどと認められた場合には遺言が無効になります。

遺言書が無効、あるいは遺言書がない場合は遺産分割協議を行うことになります。
原則として、遺産分割協議には相続人全員が参加しなければなりません。

相続人全員が合意すれば、法定相続分と異なる割合で相続分を決めることも可能です。
※ただし、遺産分割協議で相続人全員が合意するとは限らず、遺産相続をめぐるトラブルで最も多いのが
遺産分割協議で分割内容が決まらないケースです。

その場合には、家庭裁判所の調停や審判によって遺産の分割方法が決められていくことになります。
いわゆる、争続(あらそうぞく)になってしまうわけです。
皆さんはそのようなことにならないよう、事前にしっかりと知識を身に付けて対策をしましょう。

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