2025年3月28日
「日本景気はアメリカ次第?」 #52
今回は、世界中の景気動向に大きな影響を与える「FRB」や「FOMC」の役割について解説していきます。
普段の経済ニュースや新聞を読むうえで最多といっていいほど良く出てくるワードですので、この機会にしっかり復習しておきましょう。
FRBとは、連邦準備理事会(Federal Reserve Board)の頭文字を取ったもので、米国中央銀行制度の最高意思決定機関です。(日本における日銀と読み替えると理解しやすいかもしれません)
日本語では「連邦準備制度理事会」と呼ばれます。
このFRBは、7名の理事(うち議長1名、副議長1名)と地区ごとの連邦準備銀行総裁5名から構成されています。
現在の議長はジェローム・パウエル氏です。
FRBは「雇用の最大化」と「物価の安定」を主な目的として、FOMC(連邦公開市場委員会)を年に8回、約6週間ごとに開き、失業率やインフレ率、賃金上昇率などの景気指標をもとに景気判断や政策金利(FF金利)の方針を議論します。
FRBは米国経済の現状を見極め、市場の通貨流通量を調整して適正な金利政策を実行することで、景気や物価を適正に保つ役割を果たしています。
FOMCの政策発表は、ドルと日本円の為替レートにも影響を与えます。
今後FOMCが政策金利を引き下げると発表した場合、ドルの人気が低下するためドル安円高に動きやすくなります。
一般的に円高になれば、日本の輸出関連企業の業績は下がり、株価にも悪い影響を与え景気は悪化するといわれています。
このように、FOMCの政策決定は米国だけではなく、日本をはじめ世界中の国や企業に影響を及ぼしていきます。
その他、FOMCの政策決定でどのように景気がコントロールされるのか見てみましょう。
【米国景気が加熱した場合】
米国国内の景気が加熱した場合は、国内の物価が上昇(インフレ)を引き起こし、政策金利を引き上げるため以下のようなサイクルになります。
(1)政策金利を上げる
(2)銀行が貸し出し金利を上げるので、企業はお金が借りにくくなる
(3)企業活動が抑制される
(4)雇用が調節される
(5)個人消費が下がる
(6)景気が抑制される
【米国景気が冷え込んだ場合】
米国国内の景気が冷え込んだ場合は、国内の資金流通をスムーズにするため、FOMCは政策金利を引き下げるため以下のようなサイクルになります。
(1)政策金利を下げる
(2)銀行が貸し出し金利を下げるので、企業がお金を借りやすくなる
(3)企業活動が促進される
(4)雇用が拡大する
(5)個人消費が促進される
(6)景気が上向きになる
例えばコロナ禍ではFOMCは緊急会合を開き、政策金利(FF金利)を1.75% ⇒ 0.25%(リーマンショック時の水準)に大幅に引き下げたことは記憶に新しいかと思います。
今後しばらくの期間は、米国の政策金利は引き下げられることが見込まれていますが、その後の株価や為替、景気が実際にどう動くのか、自分なりの予想やシナリオを立ててニュースを見ると面白いかもしれませんね。
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