2025年3月21日
「教育支出よりも重要なこと」 #51
支出の中でも「教育費」に比重を置いているご家庭も多いのではないでしょうか。
ご家庭の経済状況がお子さんの学力格差につながっていることは、さまざまな調査研究、分析結果で示されておりご存じの方も多いと思います。
(文部科学省や国立教育政策研究所の論文でも示されています)
シンプルに教育支出が増えるほど、お子さんの学力は高くなる傾向にあります。
しかし、お子さんの学力に影響を与えるものは教育支出だけではありません。
個人的には、それ以上に重要になってくるのが家庭の中での「生活習慣(環境)」だと思っています。
実は、裕福なご家庭ほど早寝早起きであったり、しっかり3食バランスのよい食事をとっていたり、基本的な生活習慣や日々の学習行動が整っていることも分かっています。
そうした基本的な生活習慣が乱れていると、お子さんの学力が低くなりやすいといいます。
確かに経済力があること自体はアドバンテージかもしれませんが、裕福なご家庭の多くに共通する「生活習慣(環境)」こそが、お子さんの学力を大きく高めているのではないでしょうか。
人の行動は、環境に(無意識に)左右されます。
周りに集中して勉強をしている人がいると、「自分もやらなきゃ」という気になって集中できるものです。
わざわざ塾や図書館など自習室に勉強するために行くのは、そうした環境の利点を期待しているからです。
逆に、勉強している横で両親や兄弟姉妹がリラックスしてテレビを見たり遊んでいたりすると、お子さんが遊びたい気分になってなかなか集中できなくなるのです。
これは、周囲にいる人の気持ちや考え方が感染するからです。
影響を受けるのは、人からだけではありません。
例えば、海外で行われた実験では、街中に落書きをしておくと、その周囲ではゴミをポイ捨てする人が増えたそうです。
この現象は有名な「割れた窓ガラス理論」と呼ばれるものです。
他にも、きれいな机と汚い机でパズルをしたときに、きれいな机で作業した方が1.5倍くらい忍耐強くパズルに取り組むことができたという実験結果もありました。
机が汚いとすぐに集中力が切れて、やる気がなくなってしまうのです。
同じように、視覚以外の五感でも人の行動は変化します。
商談の際に温かいコーヒーを出すと、成約率が高くなるという実験結果もあります。
香りの空間で議論をすると、無臭の部屋よりも互いに歩み寄りやすくなることなども示されていました。
このように私たちは知らないうちに周囲の環境に影響され行動しているのです。
あなたのご家庭では学習環境は整っていますか?
リビングや学習机が散らかっているようなら、勉強しにくい環境であるといえます。
机に向かって勉強するだけでひと苦労、集中して宿題をこなしていくことができません。
もし、現在そういう勉強に適さない環境になっているとしたら、お子さんが勉強に集中できなくても責めるのはかわいそうかもしれません。
逆風の中で走らせようとせず、伴走してあげられるよう環境を整えてあげましょう。
お子さんからすれば、親は環境の一部です。
お子さんがよい行動をできるように、自分も含めて周囲の環境を整えていきましょう!
<掲載内容に関するご留意事項>
本記事の掲載内容は、BANK The Academyの最新情報、お客さまの生活やライフイベントに役に立つ情報提供、あるいは資産運用の方法等に関する情報提供を目的として、あおぞら銀行が作成したものであり、当行の商品・サービスの勧誘が目的ではなく、また、個社・個別の商品・サービスを推奨・保証するものや、取引の媒介・代理等を行うものではありません。
また、掲載内容に含まれる意見・見解等は、作成時点におけるあおぞら銀行または原稿作成者のものであり、将来の市場動向や運用成果について何らの示唆・保証を行うものではなく、また将来予告なく変更されることもあります。情報の正確性、完全性、信頼性、適切性等に加え、配信時点で当該商品・サービスが存在すること、お客さまの購入・利用の可能性、価格および掲載企業(人)の内容に関し、あおぞら銀行は一切保証するものでありません。
掲載情報に基づき行ったお客さまの行為および結果等について、あおぞら銀行は一切の責任を負いません。