2025年1月31日
「幸せをもたらす投資」 #44
お客さまから資産運用のご相談をお受けする中で、「こんなに資産がありながら何で悩んでいるんだろう?」と思うことが多々あります。
もちろん本人しか知りえない理由はあるにせよ、資産額から考えると金銭的には十分にゆとりがあるにも関わらず、「漠然とした不安」を抱えている方が多くいらっしゃいます。
「投資で損をして資産が無くなった」という相談ではなく、「億単位の資産を持っているが、もっとお金を増やしたい、将来のお金は足りるか」と悩んでいます。
投資の神様 ウォーレン・バフェット氏が言うように、「お金と幸せは別物」なのかもしれません。
自分自身のお金の価値観として、「どれだけお金があれば満足か、お金があったら何に使うのか」ということを、ある程度は感覚として持っていないと、その時々の気まぐれや思いつきで消費(投資)してしまいます。
若いうちは未だしも、お金が増えてくると消費する金額もどんどん大きくなってきますので、気分でお金を使っていたのでは「結局いくらあっても足りない」という結果になってしまいます。
年齢を重ねてから失敗すると取り返しがつかなくなります。
お金に対する価値観や考え方は、一朝一夕に決められるものではないので、日頃から意識的に「思考のトレーニング」を続けましょう。
「あなたは、いくらでも好きなだけお金を使えるとしたら何に使いますか」
このことを思考の起点にすると、自らの価値観に気づきやすいかもしれません。
まず、普段から自分が欲しいと思っているものを全て買ってしまいます。
住みたいところに豪華な家を建てて、車や自家用ジェット機などを買って、着たい服を着て、食べたいものを好きなだけ食べます。
夢のようですか?
お手伝いさんを雇って、自分は自分のしたいことだけして生活するかもしれません。
そうしてお金を好きなだけ使っても、まだまだお金は余っています。
買いたいものを全て買ったのちに、あなたは何を買い(求め)ますか?
やがてお金を使うことよりも、家族や友人との時間や困っている人の助けになりたい、など価値観の変化が起こるのではないでしょうか。
整備に手間がかかる大きな豪邸や別荘、スポーツカーなどを手放し、軽自動車やファスト・ファッションの方が快適に感じるかもしれません。
お金を使う基準が「自分は本当に幸せか」に変わり、それ以上の買い物が無駄に思えてくるのではないでしょうか。
最初にお話しした億単位の資産を持っている人は、一般的にはかなりの成功者だといえます。
しかしながら、周りに目を向けてみると、3億、5億、10億と上には上がいるのが現実です。
自分自身のお金に対する価値基準をしっかりと持っていないと、投資を「ゲーム」として捉えてしまい、いつまで経っても満足感を得ることは無いのかもしれません。
目的もなく上を目指そうとすると、不要な(過剰な)リスクを取ってしまい、ゼロに逆戻りしかねません。
多くの人は今より少しでもお金が増えれば良い、と考えて投資を始めたのではないでしょうか。
しかし、それがうまくいって周りと比べることで、かえって不幸になってしまいます。
幸せをもたらす投資の要素とは、決して「リターンの高さ」ではありません。
他と比較しないこと、自分のお金の価値基準を明確にしておきましょう。
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