2024年10月18日
「GPIF(じーぴーあいえふ)の正体」 #30
GPIFとは、「Government Pension Investment Fund」の略で、日本の年金積立金管理運用独立行政法人のことです。
日本の年金制度というのは、自分で納めた保険料が将来自分に戻ってくる「積立方式」ではありません。
積立金という名称ですが、積み立てたものが自分に返ってくるわけではありません。
日本の年金制度は、「賦課方式(仕送方式)」です。
現役世代の方が納めた保険料が、高齢者世代に年金として給付される「世代間の支え合い」の形になっています。
では、実際にみなさんが毎月納めている公的年金の保険料は、どのように運用されているのでしょうか。
ただ単に積み立てられたものが預金として預けられ、老齢年金などの形で戻ってくる、ということではありません。
国は滞りなく年金を支給するため、現役世代が納めている年金保険料の一部を株式や債券などで運用しています。
今回は、みなさんの未来を支えるための公的年金について、GPIFがどのような貢献をしているのか、どのように運用益をあげているかを一緒に見ていきたいと思います。
公的年金には、一定以上の年齢になると支給される老齢年金、障害を負ったときに支給される障害年金、一家の働き手が亡くなったときに家族に支給される遺族年金があります。
年金の主な財源としては、「年金保険料収入」「国庫負担」「積立金」があげられます。
毎年の年金給付は、これら年金財源によって賄われており、内訳は保険料率の引き上げや人口構成の変化等で変化しますが、概ね「年金保険料収入」が全体の約7割、「国庫負担」が約2割、「積立金」が約1割となっています。
GPIFは、この積立金をさらに増やすために投資などで運用しており、その運用資産額は2023年度12末時点で約224兆円となっています。
実は、これは機関投資家(法人の大口投資家)としては、世界最大の規模で相場参加者からはその資産規模の大きさから、マーケットを泳ぐ「クジラ」に例えられることもあります。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)ウェブサイト(2023年度の運用状況)はこちら
では、このような莫大な資金をGPIFはどのようなポートフォリオで運用しているのでしょうか。
GPIFの基本ポートフォリオは、「国内債券」「国内株式」「外国債券」「外国株式」に4分の1ずつ分散投資されています。(2020年4月から採用)
この25%ずつの配分は、超長期でみた年金給付の必要分をきちんと埋めるという計算のもとに考えられた構成です。
多くの計算から科学的に導き出されたもので、世界経済の成長が市場に反映されることで利益が生じるよう資産配分が計算されています。
分散の度合いを完全に固定するのではなく、経済環境や市場環境の変化を踏まえて、必要に応じて一定の幅で割合を変えています。
実際に、GPIFが運用を開始した2001年度から2023年度12月末までの運用利回りは、年平均で3.99%になっています。(実績は四半期ごとに公表)
GPIFの運用ポートフォリオや、目先の短期的な利益を追うのではなく、長期目線で世界成長の恩恵を享受するという考え方は、私たち個人が運用する際にも大きく参考になりそうですね!
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