2024年8月16日
「オルカンは万能か」#21
通称オルカン、三菱UFJアセットマネジメント株式会社が運用する eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、個人投資家の中でも非常に人気がある公募投資信託です。
その運用資産総額(純資産残高)は国内トップクラスです。
特に2024年以降、新NISA制度がスタートして実際に投資している人も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな大人気のオルカンについて、「オルカンに投資していれば大丈夫?」と悩んでいる人に向けて、知っておきたいオルカンの基本知識と、押さえておきたい留意点について個人的な意見を述べていきます。
オルカンは、投資先の約6割がアメリカの企業です。
次に日本、イギリス、フランスなど先進国を始め新興国の企業(約1割)にも投資しています。
現在、約50か国(先進国23か国、新興国24か国)の株式、約2,900銘柄(小型株除く)に投資しており、この1本の投資信託(ファンド)を持つことで、全世界の株式に広く分散投資することができます。
オルカンの人気は、知名度の他にも運用に関する手数料が低いことがあります。(購入時手数料、売却時手数料(信託財産留保額)、運用時信託報酬)
オルカンは、購入時の手数料と信託財産留保額はなく、信託報酬は年率0.5775%となっており、業界の中でも最低水準です。
また、運用会社である三菱UFJアセットマネジメント株式会社は、「将来にわたり業界最低水準のコストを目指す」と宣言しているので、他社競合が出てきた場合にも安心です。
(いずれも2024年7月時点の情報)
さて、投資するメリットが非常にたくさんありそうなオルカンですが、果たしてオルカンだけに投資していれば本当に大丈夫なのでしょうか。
現在、オルカンの組入上位10銘柄のうち9銘柄はアメリカの企業です。
投資対象がアメリカに偏っており、業種においても組入上位10業種のうち「情報技術、金融、ヘルスケア」の3つだけで、約50%を占めています。
さらに、投資信託の成績表である月次報告書には以下の記載があります。
「組入外貨建資産については、原則として為替ヘッジを行いませんので、為替変動の影響を大きく受けます。」
投資家は、為替相場の変動リスク、今後円高になった際のリスクを背負っているわけです。
確かにオルカンは、投資信託の中では分散投資が優れておりコストも安い、というメリットがありますが、コレひとつ持っていれば安心と言うわけではなさそうです。
個人投資家が、ポートフォリオを組むうえで大切なことは、「全体の金融資産が、長期的に安定して成長できるのか」の観点をもつことです。
市場は常に変化します。
現に、GDPランキングだけ見ても今年、日本はドイツに抜かれトップ3から脱落、さらに来年はインドに抜かれ5位に転落するという予想もあります。
ポートフォリオを組むときには、市況の変化にも柔軟に対応できる構成を意識して、投資信託だけではなく他の商品種別を組み込むことや、暴落時のリスクを抑えるような工夫が必要です。
株式市場の下落に備え債券を組み入れる、将来のインフレに備え金を一部入れてみるなどバランスを調整できるポートフォリオが望ましいです。
初めは難しいかもしれませんが、どうしたら良いか悩んだ時には、ぜひ私たちBANK The Planningをご利用ください。
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