ICチップ以外は何が違うの?ICカードと磁気カードの違い

ICチップ以外は何が違うの?
ICカードと磁気カードの違い

キャッシュカードやクレジットカードに、1cm四方で金色や銀色に黒いラインの入ったシールのようなチップが埋め込まれている場合があります。この様なICチップが埋め込まれているカードのことを、ICカードと呼びます。
しかし、目に見えるところにICチップが付いていなくてもICカードと呼べるものもあります。例えば、電子マネーが使用できるカードは基本的にICカードですが、ICチップは目に見えるところには付いていません。
そこで今回は、ICカードの定義や、磁気カードとの違いについてご紹介します。

ICカードとは

ICとは「Integrated Circuit」の略で、微細な集積回路のことを指しています。つまり、「ICカード」とは、集積回路を内蔵したカードのことです。ICカードは読み取り方の違いから「接触型」と「非接触型」に分けられます。

接触型のICカードとは

接触型のICカードは、読み取り機に差し込むことによって、記憶された情報を取り出すことができます。ICカードに付いているICチップの部分は、接触型ICカードを読み取る際に機械に接触させる部分です。
何回か使ったチップ部分をよく見ると、黒い線と線の間が擦れたように光っていることがあります。これは、その部分に「接触端子」と呼ばれる接触箇所があるためです。つまり、金属同士が直接触れ合うことによって、情報を読み取ることが可能になっています。

非接触型のICカードとは

一方、非接触型のICカードは、ICチップの周囲にアンテナコイルを内蔵しており、接触端子がありません。読み取り機の方にも同様のアンテナがあり、そこから発生する電磁波をカード側のアンテナで受け取り、発生した電流によって読み取り機と交信しています。電波を利用して情報のやり取りをしているため、接触の必要がなく、近づけるだけで反応する仕組みです。

磁気カードとは

カードの券面に磁気テープを貼り付けたカードを、磁気カードと呼びます。磁気カードは、カセットテープやビデオテープの記録方法と同様の原理で、情報が磁気ストライプの中に直接転写される仕組みです。
磁気カードは以前から普及しているもので、読み取り機も広く流通しているため、多くのクレジットカードでも磁気ストライプの形式を用いています。ICカードであるにもかかわらず磁気ストライプが付いているクレジットカードが多く存在しているのは、ICカードの読み取り機が十分に普及していないことも原因の一つです。
特に、世界中で使用されることを前提とした国際ブランドのクレジットカードでは、利用できない地域が生じないようにするため、磁気ストライプが必要となっています。

ICカードと磁気カードの違い

上記の通り、ICカードと磁気カードは読み取り方式に違いがありますが、情報量やセキュリティ面にも違いがあります。
例えば、クレジット機能付きの交通系ICカードに定期券情報まで入れることができるのは、ICカードが磁気ストライプより多くの情報を記憶できるためです。また、ICカードは磁気ストライプに比べて不正にカード情報を読み取るスキミングに強いというメリットがあります。
安全性の低い磁気カードより、情報量が多く安心して持つことのできるICカードを普及させようという動きはあるものの、まだまだ過渡期といえそうです。

おわりに

クレジットカード、電子マネーなど、金融系カードのICカード化が進んでいますが、従来の磁気カードしか対応していない読み取り機でも利用できるよう、両タイプを併用したカードが多く発行されています。
住基カードや個人番号カード、運転免許証などの公的なカードにおいてもICチップが利用されており、今後ますますICカードの活躍の場が増えていくのではないでしょうか。

2020年2月26日

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