ふるさと納税の次はアートが来る

これからの人生を豊かにする、賢いお金の使い方

さまざまなデザイナーやアーティストと企業の橋渡しをしたり、イベントや空間のプロデュースをしたり、デザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO」を主催したり。青木昭夫さんはデザインやアートの分野を中心に、多彩なコミュニケーションを生み出す活動を展開しています。今回はそんな青木さんに、人生を豊かにするお金の使い方について、「DESIGNART TOKYO」にも参加するインテリアショップ、カッシーナ・イクスシー青山本店の「アートギャラリー デラルテ」で話を訊きました。

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DESIGNART TOKYO」を通じて"所有する喜び"を喚起

「さまざまなジャンルの垣根を超えて、デザインとアートを横断するモノやコトの素晴らしさを発信、共有してゆく活動」として2017年に立ち上げられた「DESIGNART」。「DESIGNART TOKYO」は、その活動の場として17年から毎年秋に開催されています。

05年〜09年にデザインイベント「DESIGNTIDE TOKYO」でディレクター職を経験した青木さん。彼はここで多くのデザイナーやアーティスト、ショップや企業などとのネットワークを構築し、異業種同士を組み合わせることの可能性に着眼しました。一方で、「買えないイベントは訪れた人の自分ごとにならない」とも感じたそう。それが、DESIGNART TOKYOの「基本的にすべての作品に値段をつける」という姿勢につながっています。

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Photo: Nacása & Partners

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Photo: Nacása & Partners

異ジャンルのマッチングの化学反応が高揚感を生み出す

「DESIGNART TOKYOではファッションブランドと建築家や、インテリアブランドと音楽家&プロダクトデザイナーなど、さまざまなマッチングを行っています。そこに化学反応が起こると、想像を超えるものが生まれ、お客さまも喜んでくれる。行為自体がアート化するんです。DESIGNARTで高額な彫刻作品(上の写真は梅沢和木×TAKU OBATA ※彫刻はTAKU OBATAによるもの、下の写真は南村遊の作品)などもきちんと売れているのは、その高揚感が購買意欲にもつながっているからだと思います。どんな作品にも価格をつけることで、お客さまが作品を見る目が変わる。自分の家に置くなら......と考えると、みなさんめちゃくちゃ集中するんですよね(笑)」

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価格にかかわらず、惚れ込んだものを所有する喜び

そう話す青木さんが「作品を購入する」ということに興味をもったのは、学生時代のこと。

「洋服でもクルマでもそうですが、僕は気に入ったものが見つかるまで、血眼になって探すタイプ。一生懸命探して『これだ!』というものに出合ったときの喜びを常に大事にしています。作品として最初に買ったのは、アートと言えるかどうかはわからないけれど、メゾン マルタン マルジェラの1997年のショーで使われた、ドイツ生まれのデジレー・ヘイズとイネス・カーグによるデザインユニット、BLESSによる『no00 ファーウィッグ』(96年に発表されたリサイクル・ファーを使って制作したBLESSのデビュー作品)ですね。当時まだ学生でお金はなかったけれど、頑張って5万円くらい出して、『いいものを買った!』と大興奮したのを覚えています」

本当に惚れ込んだものを所有する喜びを知った青木さんは、その後も値段にかかわらず、吟味を重ねた買い物を続けてきたそう。その一方で、衝動買いをすることも。

「3年くらい前にデンマークのルイジアナ近代美術館のミュージアムショップで、1点のリトグラフに一目惚れしたんです。無名のアーティストによるジオメトリックな作品で、見た瞬間に『欲しい!』と思って購入を即断。価格は比較的手ごろなものでしたが、帰国してからきちんと額装してもらい、現在は我が家のリビングに飾られています(下の写真)。毎日ソファに座って作品を眺めると、幸せな気分になるんです」

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アートの存在で暮らしが豊かになる

「アートって花と一緒。本当に気に入った作品がそばにあることで生活が豊かになるし、気づきが生まれるんですよね」と語る青木さんは、多くの人がもっと気軽にアートやインテリアを身近に感じ、自分の生活に取り入れることで、日本のアート市場自体も大きくなっていくと考えています。

「世界のアート市場の売上額は2017年で約7兆5,272億円。そのうちアメリカ、イギリス、中国で84%を占め、その額は約6兆3,228億円にもなります(※参考:「The Art Market」Art Basel and UBS)。対して、日本のアート市場は3,000億円規模。GDP世界第3位の国としては小さいと言わざるをえません。だからこそ、僕は『ふるさと納税の次はアートだ!』と言いたい。アートがあれば暮らしが豊かになる。若手アーティストの支援もできるし、文化の発展にもつながります」

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とはいえ、一般の人、特に若い人にとって、アート作品や家具の購入が決して気軽にできるものではないのも事実。

「それはわかります。ただ、本当に気に入ったものを購入すれば、それを孫の代まで引き継ぐこともできる。そういうのってすごく豊かなお金の使い方じゃないかと思うんです。高くてもいいものを購入すれば、気に入らなくなったら売ることもできますしね。一方で、近年盛り上がりを見せるシェアリングエコノミーもうまく使えばいいと思います。特に単身者や引越しの多い人は、リースのサービスを使ってアートや家具を入れ替えるのも、アートやデザインを楽しむひとつの手。いずれにせよ、自分が本当に好きなものを常に近くに置く喜びは格別。アートがある暮らしを"家の中にパワースポットがあるみたい"と表現する人がいますが、本当にその通りだと思うんです」

DESIGNARTでは、公共建築の建設費の1%をその建築物に関連・付随する芸術・アートのために充てる「1% for Art」を実現させるための活動も展開しています。アートやデザインと社会、人との距離を近づけるための青木さんの挑戦からは、これからも目が離せそうにありません。

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青木昭夫

MIRU DESIGN 代表取締役/クリエイティブディレクター

1978年東京生まれ。ファッションの専門学校で学んだのち、インテリア会社勤務を経て、2005年〜09年には「DESIGNTIDE TOKYO」のディレクターを務める。09年MIRU DESIGNを始動デザインエキシビジョンやプロモーションイベントの企画、プロデュース、コーディネートなどを行う。17年よりDESIGNARTの活動をスタート。その発表の場としてデザイン& アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO」を企画・運営している。

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2019/4/5取材