リスクアペタイト・フレームワークの運営
金融機関を取り巻く環境が大きく変化する中、持続的に企業価値の向上を図るためには、ビジネス環境やリスクを的確に認識し、リスクコントロールを行いつつ、適切なリスクテイクを推進していくことが必要となります。当行グループでは、事業戦略・財務計画を達成するために、進んで取ろうとするリスクの種類と量(リスクアペタイト)を明確にし、経営管理する枠組み「リスクアペタイト・フレームワーク」を整備しています。
リスクアペタイト・フレームワークの基本構造
2023年度、当行は、将来のリスクを軽減し今後の成長をより確実なものとすることを目的として、米国オフィス向け不動産ノンリコースローンと有価証券ポートフォリオという二つのバランスシート上の課題に抜本的に取り組むこととしました。
2024年度の経営計画の策定にあたっては、リスクガバナンスを高める観点から、取締役会においてリスクアペタイト・フレームワークの明確化を議論し、基本方針として、“健全なリスクテイクを通じ、持続的かつ安定的な収益を積み上げ、自己資本充実と企業成長を図り、「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」という当行グループの経営理念を実現する”と定めました。
また、併せてリスクアペタイト方針を定め、進んで取ろうとするリスクの種類・量とともにコントロールしていくリスクについて改めて明確化しました。
米国オフィス向け不動産ノンリコースローンについては債権回収による残高・リスクの削減を進め、有価証券ポートフォリオについてはストレスが生じた際の損失を経営体力で吸収可能な水準までボリュームをコントロールしていきます。
一方で、「あおぞら型投資銀行ビジネス」に経営資源を重点配分し、お客さまの事業や資産を「育てる」「変わる」「再生する」取り組みを更に進めていきます。
業務執行の最高意思決定機関であるマネジメントコミッティーや各種委員会によるガバナンスのもと、リスクアペタイトを反映した経営計画に基づき業務運営が執行されます。運営状況は定期的かつ必要な際には随時、モニタリング・報告がマネジメントコミッティーや各種委員会で行われ、リスクプロファイルがリスクアペタイトの範囲内にあるか否かを確認するなど、機動的に適切な対応が図られます。また、モニタリング結果は取締役会および監査コンプライアンス委員会に定期的に報告され、社外取締役を中心にリスク管理の適切性や実効性が審議され、リスクガバナンスの有効性が確保されます。このような取り組みを通じて、安定的かつ持続的な収益基盤の確立を図っています。
今般の大和証券グループ本社との資本業務提携により、リスク許容度を回復させ、経営資源の効率的な管理活用と健全なリスクテイクを通じ、更なる企業価値の向上を目指していきます。
リスクアペタイト基本方針 |
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資本・バランスシート・リソース等の経営資源の効率的な管理活用と健全なリスクテイクを通じ、持続的かつ安定的な収益を積み上げ、自己資本充実と企業成長をはかり、「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」という当行グループの経営理念を実現する |
リスクアペタイト方針(中期的方針) |
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2024年度のリスクテイク方針 |
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