日本一の家具生産量を誇る福岡県大川市を拠点に、全国のインテリアショップや家具店への卸売事業や一般向けの小売事業を手がける家具の総合商社『関家具』。テイストの異なる複数のブランドを展開しています。前回の『アトリエ木馬』に続き、今回は『関家具』のデザインチームが繰り広げる、遊び心と実験精神にあふれる『CRUSH CRASH PROJECT』をご紹介します。ブランド旗艦店である『CRASH GATE 福岡大川店』を訪れ、オリジナリティあふれる世界観を体感してきました。

明治時代以降、国内有数の家具生産地として発展

訪れたのは福岡県大川市。筑後川の河口に位置し、木材の産地である大分県日田市から川を下った木材の集積地です。江戸時代から海上交通の要衝として重要な役割を担ってきました。江戸時代中期に造船や農具の製造などの木工業が発達し、明治以降、大川市は全国有数の家具生産地として発展していったのです。

テイストの異なる複数のブランドを取りまとめた『CRUSH CRASH PROJECT』

『関家具』の創業は昭和43（1968）年。2018年に創業50周年を迎えた歴史ある企業ですが、開発担当者やショップスタッフの皆さんは20代や30代の方が中心。若いスタッフが最前線で活躍している印象を受けました。

今回お話を伺ったのは、『CRUSH CRASH PROJECT』のプロデューサー兼ゼネラルマネージャーである森拓郎さんと、『CRASH GATE 福岡大川店』の宇都愛加さんの２人。森さんは、オピアムソファーのデザイナーでもあります。

2005年頃から、次々に新しいブランドを開発してきましたが、それらのブランドを１つに取りまとめたのが『CRUSH CRASH PROJECT』です。

「『CRUSH CRASH PROJECT』は、直訳すると"打ち砕き、ぶつける"という意味で、テイストミックスをもう少し強い言葉で伝えたいと考え名付けました。多様なジャンルのアイテムを組み合わせることで生まれるギャップやユーモアのある空間づくり、吟味して選んだ素材を使ったモノづくりを意識して製品を企画しています」と、森さんは言います。

現在、同プロジェクトでは8ブランドを展開しており、古材を活かした「knot antiques」、無垢の表情や風合い、質感を重視しナチュラルに仕上げた「Easy Life」、そして、今回ご紹介するソファーブランド「tabu」の3ブランドを中心に、経年変化を楽しむアイテムを提案しています。

使えば使うほど愛着がわいてくるオイルレザー

「プロジェクトとしてスタートしたのは2009年ですが、オピアムソファーはその前からありました。当時の日本では経年変化をしていく素材全般がいいとされておらず、変化しない素材の方がいいモノと評価されていたんです。一方、ヨーロッパではオイルだけで仕上げた、経年変化していく革がいい素材として評価されてきました。"タブー"を犯して日本の状況を変えていきたいと考え、ブランド「tabu」を立ち上げ、オイルレザーを用いたオピアムソファーを開発したのです」。

訊けば、森さんのご自宅には10年ほど前に購入したオピアムソファーがあり、現在も現役で使われているそうです。

「使っている人の使用感が出てくる素材なので、使えば使うほどに愛着がわいていきます。我が家は子どもが生まれた頃に購入したので、子どもが飛び跳ねたり、よだれを垂らしたり、ジュースをこぼしたりと、なかなかハードな環境でしたが、一緒に成長している感じがしていいですね。すでに革はクタクタになっていますが、それもまたいいんですよ」。

オピアムソファーは革本来の風合いを際立たせるため、革の表面にコーティングを行っていません。そのため、特有の傷や変色がある場合もありますが、それも一つの個性ともいえるでしょう。ショップには、クリーナーや保護剤が売られていますので、気になるときはご自身でメンテナンスを行なうことも可能です。また、リサイクルレザー仕様や10周年記念モデルなど、素材やサイズなどの選択肢が充実している点もうれしいところです。

かつて、ソファーの多くは壁に背を寄せて配置することをイメージして作られたものが多かったのですが、このオピアムソファーは、部屋のセンターに置くことも想定し、背面が美しく見えるデザインとなっています。また、オピアムとは"精神を麻痺させる"という意味の言葉で、精神が麻痺するほどリラックスできる座り心地を追求したものになっているのも魅力です。

「オピアムソファーはECサイトでも購入できますが、座り心地や触り心地も確認して購入していただきたいアイテムです。CRASH GATE各店や『関家具』のショールームで展示・販売しています。また、大川本店は売り場面積も広く、品揃えも充実しています。ぜひお越しいただき、『CRUSH CRASH PROJECT』の世界観を体感していただけると嬉しいですね」と、宇都さん。

ステイホームが呼びかけられ、おうち時間が見直される昨今、1つのソファーとの出会いによって、日々の暮らしがより心地よくなるのではないでしょうか。

※関家具大川本店では手洗い、消毒、勤務時のマスク着用を実施し、新型コロナウイルスの感染予防に努めております。
● 常にマスクを着用して接客業務をおこなっております。
● 社内間、接客時のソーシャルディスタンスを意識し行動しております。
● 勤務時間中、最低１日３回以上、スタッフの手洗い・消毒を行っております。
● 御商談時など、飛沫感染防止のパネルを各所に設置しております。
● 展示商品・取っ手、手すりなどは毎日定期的にアルコール消毒を行っております。
● 店舗の換気も定期的に行い、クリーンな空気に入れ替えております。

また、 感染防止のために下記の取り組みとお願いを行っております。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
●入店時に手指消毒のご協力をお願いします。
●店内でのマスク着用をお願いします。
●店舗入り口での検温にご協力いただく場合がございます。（37.5℃以上のお客様は入店をお断りさせていただきます）
●レジにお並びの際は、他のお客様との間を開けていただきますようお願いします。

Words: Ayuko Terawaki（Cadette）　Photos: Yukino Nakanishi（moonlit）

2021/4/21取材
2021/8/27編集

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